私は「日本は神の国」でいいと思っています。

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人間の叡智 (文春新書 869) [kindle版]

佐藤優の天皇論です。

私は「日本は神の国」でいいと思っています。

国家元首は、天皇にしていいのか?

  • 元首とは外国に向かって国家を代表する機能を持つ存在です。憲法九条の改正とも絡みますが、万が一戦争が起きた場合、宣戦布告と和平の告知をするのは元首です。戦争に勝てばいいけれども、負けたときには確実に戦争責任を問われることになります。そのとき皇統はどうなるのか。たとえ敗戦でも国体を護持しなければいけないというのが先の大戦での教訓だとするならば、国際法的な責任を問われる地位に天皇を置くのが適切なのかどうかという問題になります。
  • 自民党の憲法改正案も天皇を元首と位置づけましたが、保守派の城内実衆院議員(郵政民営化反対で離党し落選をへて自民党に復帰)が激しく反対しました。彼は元外交官ですから、天皇は国の象徴であったほうが、元首であるより超越的でいいのだという、国際政治のリアル・ポリティークを知っているのです。そもそも、天皇を象徴とする現行憲法の一条から八条までは、皇室典範の部分を除いては、非常によくできていると思います。皇室典範は皇室の中の、皇統譜に出ている人たちの中の自律事項にして、法体系から外してしまうべきです。そうすれば、皇位継承の問題はすべて解決します。女性宮家の問題も、本来皇室の中で考えることであって、われわれ臣民が云々するべきではないのです。

日本の国体には、天皇陛下は必須で、タブーであるべき。

  • 天皇陛下は日本には絶対必要です。天皇陛下がおられないと、日本は崩壊してしまう。だから、無理に天皇を排除しようとすると、共産党の指導者が宮本天皇とか不破天皇と呼ばれるような、疑似的な天皇が出て来てしまう。権威が権力の源泉であって、絶大な権限を持つけれども、全く責任を持たないという特異点としての存在が、日本という共同体には必ず生まれるのです。
  • だから皇室の問題はタブーにするべきです。タブーのない社会は悪い社会です。皇室は聖域なのです。聖なるものと俗なるものは区別しなければならない。そのほうが強い日本ができる。マスコミで話題になっている雅子妃の動向などには私は全く関心かおりません。
  • 皇室が大衆社会のなかであれこれ語られて消費の対象になるとき、知識人の一人として、言論人の一人として、語らないという形で関与することも重要だと思う。旧約聖書の「伝道の書(コヘレトの言葉)」にあるように、ものごとには語るときと沈黙するときがある。皇室に関しては、沈黙するときだと私は思います。

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