通貨を考える ユーロ危機で何がみえたのか?

2584viewsnoriyo_tcpnoriyo_tcp

このエントリーをはてなブックマークに追加
通貨を考える (ちくま新書)

第1章 ユーロ危機は何を物語るのか

  • 究極の道は財政統合。実現は長い道のり
  • 金融は一触即発状態
  • ドイツの意向次第で、欧州の歴史・命運が左右される
  • IMFの統治構造見直しは不可避

第1章のまとめ

  • 危機の原因は、政治統合が未達成であること
  • 最後は指導者の力量、政治的リーダーシップ、とりわけドイツの力量次第
  • EUは時間との勝負を迫られている。悠長に構えていると、フランスやその周辺国にも飛び火しないとも限らない

第2章 通貨と金融、そして、財政の関係

  • 通貨統合は、加盟国間での財政統合の正否が、単一通貨実現のカギを握る
  • 通貨危機では外資準備の保有額が重要な鍵を握る
  • 金融・通貨・財政の3つの活動を総合的に分析する枠組みとして、「財政による一般物価水準の決定理論」があげられる

第2章のまとめ

政府が負担する公的負債の過剰という問題には、財政と金融・通貨の関係者が連携して、国際的な視野にたって対処することが問題解決には欠かせない

第3章 国際通貨と為替変動

  • 変動レート制度も固定レート制度も、分析する対象時間の差にすぎない
  • 為替変動リスクに対応して、さまざまな金融商品が開発されたが、その一方、金融取引の安定性を阻害する要因でもある
  • ブレストンウッズ体制の構築にあたり、ケインズが為替取引の制限に傾いていたことは大きな示唆を投げかける

第3章のまとめ

リスクへの対応は、かつてと比べて大きく前進したとはいえ、まだまだ未知の部分が多く、未開の分野だ

第4章 クロスボーダー決済

  • 国際決済は、国際金融の最重要課題
  • 国際決済といえども、最終的に使われる通貨の国内決済システムを通じて手続きが完了する
  • 国際決済には時差の存在から「ヘルシュタット・リスク」という固有のリスクがある。このリスクを制御するために、CLS、直接交換(PvP) など新しい手法が注目を集めている
  • 基軸通貨(ドル)の機能としては、”媒介通貨”の役割が極めて重要
  • 準備通貨・介入通貨としての機能も、”媒介通貨”という機能から派生する側面が小さくない
  • 国際決済は、「通貨の安全保障」や「新通貨の形成」などと密接な関係がある

第4章のまとめ

基軸通貨・ドルを観察すると、「媒介通貨」としての重要な役割がある。それは対抗者の台頭を排除し、簡単には崩れないという特性がある。アメリカ経済や産業の競争力が衰えても、米ドルの基軸通貨としての地位は簡単には低下・消滅しない

第5章 アジア経済圏と通貨戦略

  • ドル本位制度は、長期にわたり持続するという保証はない
  • 消費者目線で円の利用率を着実に高め、円・人民元間の直接決済を促進することは、決済リスクの分散に貢献し、世界の利益増進に寄与する
  • 日中間での資金決済にはPvPを利用すれば、両国の金融・経済取引を安定化させ、経済交流の拡大につながり、また、円・元間の為替レートの安定化を促す動きとして市場は歓迎するであろう

とくに、韓国、ASEANなども関心を寄せることにつながり、東アジア地域通貨の生成につながる可能性は大

第5章のまとめ

同じ地域内で共通する通貨が使われることは、ある意味で自然の流れである
ドルにかかる負担を軽減し、決済リスクの分散にも寄与する
とくに、同じ地域内の2国間でPvPによる直接決済システム構築は、B2Bである銀行決済にとどまらず、B2Cともいえる企業や個人など消費者間での決済の利便性が大きく高まるのに貢献できる

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く