♬言葉の中に詰まった、青春の旋律♬ こうして魂と魂は出会っていく……

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月光町ブルース

##1.月光町ブルース

一弦の切れたアコースティックギター、スーパーから盗んできたマグロの切り身と缶ビール、ペンチで鍵を破壊して拝借するママチャリ……。
ストリートミュージシャン「プロ」の物語。
公園で自作した曲を弾き語っていると、一人の少女がギターケースの中に100円玉を投げ入れた。旧友との再会を果たすために、少女は月光町の駅を目指していると言う。しかし、引っ越して間もないこの町で、少女は目的地までの先導を必要としていた。
約束の時間まで駅へと到着するために、「プロ」は過酷な道程を少女に強いる。しかし、心臓に病を抱えていた少女は、この強行軍に耐えることができず……。

主人公のモデルともなった著者の旧友、ナショヲナルのドラム担当「カワサキプロ」作詞曲や、著者自身による書下ろし詩編がふんだんに盛り込まれた短編作品です。言葉の中に潜んでいる旋律が、音となってあなたの内側に染み入ってくるはずです。甘くも悲しいこのメロディをご堪能ください。

##2.ホラ吹き松吉

世を捨てて、先祖伝来の山中に家を建て、一人、隠遁生活を行っている変わり者「松吉」は、縁側に腰かけ、日本酒を飲み、月を見上げて、過去を語る。
クリスチャンの両親を持つ敬虔なカソリック教徒「ユウ坊」は、そんな松吉の話を聞くのが大好きだった。
やがて松吉の「うた」に魅かれるように、快楽主義者の鳥井、多重人格者の葛城といった、個性溢れる人間たちもまたこの地へと集まってくる……。
愛と優しさに溢れた人々の織りなす狂想曲がここにある。

数多の伏線が、物語の終盤で連鎖反応を起こすように仕掛けられた著者渾身の中編作品。
セックス、ドラッグ、ロックンロールと、70年代パンクが抱えたその象徴的な価値観は、現代社会において多少変貌はしておりますが、人々の本能の中で未だに揺らめきを見せていると著者は考えています。
「依存」という問題を一つのテーマにして描かれた、実験的な作品です。武田久生という作家がどのような回答をそこに突き付けたのか、是非、あなたの目でそれをご確認ください。

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