下流同盟 美しくない日本へ

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下流同盟―格差社会とファスト風土 (朝日新書)

日本の地方が破壊されている。

答えは難しくない。アメリカ同様に、地方に大型ショッピングモールができている事が1つの問題である。これらのモールは便利であるが、地方の疲弊を招く事例がアメリカで大量に発生している。日本でも例外ではない。ウォルマートが進出する地域では、10%以上のデフレが起きるという事例も発生している。「効率」を重視するあまり、そしてそのアメリカに追従するあまり、日本は大事なものをたくさん失っているのではかかろうか?

大型ショッピングモールの地域経済破壊と下流層の増加

  • 「便利」を追求する事で、地域経済が簡単に壊される
  • 駅前商店街の封鎖 → 人間関係の希薄化、地域意識の消滅
  • 安さ・効率の追求が、新たな非正規雇用を生み続ける
  • シャッター商店街のピンク街化

ウォルマートが進出する事で起こる5つの悪影響

①商品価格の低下 進出地域に10%以上のデフレ効果を及ぼすとの研究も
②地元商店の倒産 進出地域の10%以上が倒産した地域等が少なくない
③仕入先の経営悪化 ウォルマートによる仕入額低下圧力
④賃金の低下 ウォルマートだけでなく、競合する小売店の従業員らも
⑤低品質商品の広がり 健康を害すファストフード消費率が急上昇する

安い下着と生活の質 どちらを優先させるのか?

  • 日本でも同様。ウォルマート型の大型ショピングモールが地方で増加
  • 「下流層」御用達の低品質商品が増え、街全体が貧困化する
  • デフレ商品が出回り、地域全体の給与水準が低下する

フランスは抵抗する

  • ウォルマート化する(walmartisation)という言葉が悪い意味で使用されている
  • マクドナルド、ウォルマートなどのアメリカのファスト文化が入り込む事に強い抵抗
  • 250kmに及ぶ街路に商業店舗が入らないような規制等、街を守る意識が高い
  • 感想

    イオンやジャスコなど大型ショッピングモールが、家の近くにできる事は便利で良い事ばかりだと考えていた。しかし、効率を重視したそのビジネスは、地域のデフレーションを呼び、非正規雇用の増加、低品質商品の増加、既存の流通網の破壊、近隣住民の地域意識の低下等、街を破壊するデメリットが多い事を感じた。確かに、ショッピングモールの周囲の店舗がクローズする様子はたまに見かけている。アメリカに追従し続けると、「合理的」「効率的」をあまりに重視しすぎる方向に全てが動いていくが、我々は「消費者」以外の顔をいくつも持っているはずだ。もっと広い視野で、「効率」よりももっと重視するものがたくさんある事に日本は気付くべきである。そうしないと、アメリカのように取り返しのつかないレベルの「格差社会」がこの先に待ち受けているかもしれない。

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