消えてほしくない。

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辞書から消えたことわざ (角川SSC新書)

ことわざは面白い。

辞書を引けば、そこにはいくつものことわざが存在しています。
いろはカルタや学校で習ったものなど知っているものもあれば、全く知らなかったものもあります。
現在、日常生活の中でことわざを使う機会は少なく、私たちが知っていることわざはきっと少なくなってきているから、辞書に載っているものでもわからないのでしょう。
けれど、その辞書からも姿を消そうとしていることわざがあります。

この本では、主に辞書から消えてしまったことわざを取り上げ、その意味や背景を解説しています。
時代としては江戸から明治期に使われていたものが多いです。
さらに時代が下って室町、平安の文献から用例を挙げている場合もあります。
ことわざが印象に残るのは、短くて的確なことを表現しているのもありますが、韻を踏んでいたりリズムがあったりと、音としての楽しさもあると思います。
そういう言葉は自然と声に出して読みたくなります。
それから、ことわざの中で取り上げられている例があり得ないようなことだったり、思わず吹き出してしまうようなことだったり、と極端であることもおもしろみの一つです。
解説の部分では、そのことわざのおもしろみも書いています。

読んでいて思ったのは、こういう言葉をぽんと何かのタイミングで言えたらかっこいいだろうな、ということ。
ことわざって格言、というか本質を短い言葉で端的に表現している言葉だと思うのですが、たとえ言葉が古くなったとしても、その本質は変わってなくて、その言葉が生まれたずっと後に生きている私たちが聞いても共感できるようなものが多く、座右の銘じゃないけれど胸に刻んで心構えとして覚えておきたいような言葉ばかりでした。

こういう言葉、消えてほしくないですね。
辞書から消えてしまうなら、せめて記憶には残しておきたいと思います。

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