『人を動かす』

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人を動かす 新装版

本の概要

20世紀前半に企業研修のコーチ、能力開発コースの発明、教師として活躍したデール・カーネギー著。著者の生き方の通り、『他者に対する自己の行動を変えることにより、他者の行動を変えることができる』という考えを表した本であり、現在でも幅広い分野の経営者や企業の研修に使われている。

本の内容

人を動かすための方法として『人を動かす三原則』『人に好かれる六原則』『人を説得する十二原則』『人を変える九原則』がある。

『人を動かす三原則』では、(1)批判も非難も苦情も言わない。(2)率直で、誠実な評価を与える。(3)強い欲求を起こさせる。があげられている。この3点は、純粋にいい人を演じることが重要であることを示唆している。やはり「いい人」には部下や友人が慕ってくれるのである。

『人に好かれる六原則」とは、(1)誠実な関心を寄せる。(2)笑顔で接する。(3)名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない。(4)聞き手にまわる。(5)相手の関心を見抜いて話題にする。(6)重要感を与える - 誠意を込めて。である。この章の内容は、「犬」をイメージしてもらうとわかりやすい。羊、馬といった家畜動物と違い、犬は人に好かれることで生きている(それが良いか悪いかは別として)。その中で犬はどうして人から好かれるのかを表したのが、この章の内容である。

『人を説得する十二原則』では、(1)議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。(2)相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。(3)自分の誤りをただちにこころよく認める。(4)おだやかに話す。(5)相手が即座に'イエス'と答える問題を選ぶ。(6)相手にしゃべらせる。(7)相手に思いつかせる。(8)人の身になる。(9)相手の考えや希望に対して同情を持つ。(10)人の美しい心情に呼びかける。(11)演出を考える。(12)対抗意識を刺激する。を指摘している。この章においても、歴代大統領、大物政治家がよく例示されている。著者と親交のある政治家ですら人を動かすときに数々の失敗をしている。それらの失敗を通して学習した結果が、後の偉大な功績につながっていることを肝に銘じておきたい。

『人を変える九原則』とは、(1)まずほめる。(2)遠まわしに注意を与える。(3)まず自分の誤りを話した後、相手に注意を与える。(4)命令をせず、意見を求める。(5)顔を立てる。(6)わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる。(7)期待をかける。(8)激励して、能力に自信を持たせる。(9)喜んで協力させる。である。この章で共通していることは、「相手の顔を立てる」ということである。議論の目的は、相手を打ち負かすことではなく、その後の議論の結果ビジネスなり商談なりをうまくいかせることである。その点、議論に勝ったところで、相手に不信感を植え付けてその後のビジネスをうまく運べないことは大変もったいないことを著者は指摘している。

まとめ

この本の内容は、至極簡単なことである。あくまで「過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる」というごく当たり前の原則を大前提に書かれている。自分は思う通りに動かせるけれども、他人はなかなか動いてくれない。そんな悩みを持っている人は多いのではないか。その中でこの本は、どうやったら他人を動かせるかを、単純明快に書いている本である。将来部下を持つ人、ビジネスのリーダーになって物事を進めていくひとにおすすめの本である。

感想

ごく当たり前のことに真理がある。たいていの真理はごく単純なものである。そういった言葉を思い出させてくれた本だった。人を動かす立場になった際に、あらためて読みたい。「人を動かす」には、相手の立場に立って物事を考える癖をつける必要がある、という点も常に頭の中に入れておきたい。

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