はやぶさに学ぶオリジナリティ(リスクを背負うこと)の大切さ

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はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話

加点法評価

ともすれば漸近的な積み重ねを継続すれば,次第にトップに立てるという誤解があります.しかし,加点法の評価は技術的な大きな壁を乗り越え,世界に主導的な立場を目指そうというもので,画期的だったと思う.当時,バブル経済がはじけ,決して経済状況はよくありませんでしたが,自己収縮のスパイラルには入っておらず,将来のための投資は不可欠であるという認識がありました.すばらしい意思決定だったと思います.
すべて成功して100点では条件が厳しすぎる.税金の使い方として妥当な成功段階を設定してこそ,それをクリアしたら,その後はボーナスと考えましょう.

オリジナリティ(リスクを背負うこと)の大切さ

宇宙開発の先進国であるアメリカの背中ははるか遠くにかすんでいる時代.その後の日本の方向性には大きく二つの選択肢がありました.一つはアメリカの成果に学び,技術を取り入れ,後を追うやり方.技術が確立されているわけですから,リスクは回避できます.ただし,真似をしているだけでは,いつになっても追いつくことができず,オリジナルなことが出来ないのは明らかです.もう一つは大きなリスクを背負うことになりますが,成功すれば大きな成果を得られる,オリジナルなやり方を追求するやり方.

オリジナリティはゼロから生まれるものではなく,既存の技術を身につけた上で,目的に合わせて改良する過程で生まれるもの.

楽観的なのかもしれませんが,誰もやっていないことに挑むとき,できない理由を挙げればキリがありません.それよりも,どんな条件が揃えば可能になるのかを,ポジティブに考えたほうが良い

NASAのやり方はとてもうまい.リスクを最小限にして,それなりの成果が見えているものをプロジェクトにするのだから合理的です.

正直なところ,「はやぶさ」では大変と感じた覚えはありません.みんな優秀で,最初から目標をよく共有していて,モチベーションも高かったので,「尻を叩く」よりも「どこで手綱を引くか」を考えるほうが多かったほどです.

JAXAが税金を投入して開発すると,それはアカウンタビリティを要求される性格をもち,「失敗は許されないもの」なので,開発に関わる人はあまり挑戦的・冒険的なことができなくなる.

アメリカは失敗する可能性が少しでもあれば,勝負はしない.確実に勝てる勝負を選んできたからこそ,高い確率で成果をあげてこられたのです.

特許出願するのはロイヤリティビジネスのためではなく,あくまでもプロジェクトを守るためです.

サンプルを持ち帰れない無念さと同時に,私が恐れたのは,若い研究者・エンジニアの間に「やっぱり,日本には無理だったんだ」,「NASAにはかなわないよ」という,敗北感のようなものが根付くことです.

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