広告を超えた115の物語

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物語のある広告コピー

概要

家族、女性、男性、人生、企業という5つのテーマにカテゴライズして、115のストーリー性あるボディコピーに満ちた広告を紹介している。その中でも特に逸脱だった3つの広告を抜粋。

名前は、親が子供に送る、はじめての手紙なのかもしれない。(後藤彰久、PILOT)

わずか一文字か二文字。だからこそ、親は悩む。
こんな子に育ってほしい。
いや、元気であれば、それでいい。
とにかく、生まれてきてくれて、ありがとう。

あふれる思いを胸に、紙に向かう。
お腹の生命に語りかけながら、ペンを動かす。
何度も書いて。何度も考えて。また、書く。

そうやって、大切につけられた名前。
それは、親が子供に送る、「一通の手紙」なのだと思うのです。

子供たちは、人生という長い時間をかけて、
ゆっくり読んでくれるはずです。
その「手紙」を書いた日の、両親の思いを。

一生のうちで、自分の名前ほど目にする文字は、他にない。
そう、こんなに繰り返し読まれる手紙は、他にないのです。

書く、を支える。PILOT。

世界の現状を伝えるために、言葉ができること。(こやま淳子、プラン・ジャパン)

女の子だから、10代で結婚させられる。
女の子だから、学校に行かせてもらえない。
女の子だから、暴力を振るわれて文句も言えない。
女の子だから、生まれてさえこられないこともある。
女の子だから、泣きたいときに泣くことも、
笑いたいときに笑うことも、
怒りたいときに怒ることもできない。
女の子だから、恋することも知らずに一生を終える。
もしも、この文章が間違っているように感じたら、
この世界の間違いを、まずは知ってください。

Because I am a Girl(女の子だから)
その後に来る言葉は、
私たちの力で変えられる未来です。

海も山もある故郷を、なにも無い町と呼んでいた。(細田高広、五明)

小さくまとまりたくないと、
ふるさとを飛び出して二十年。
猫の額ほどの家から、肩をすぼめて電車に乗り、
小さな会社の、小さなデスクに通う。
そんな未来が分かっていても、
あの日の俺は同じ決断をしたのだろうか。

夜十一時の居酒屋のカウンター。
ひとりで呑むのも、もう慣れた。
目の前には、地元のお酒と、
地元の名物だった鰯のへしこ。
親にはもう5年近く顔を見せていないが、
胃袋だけは、こうして毎週帰省している。

あの町には、海があり、山があり、
魚がいて、酒があった。
友人がいて、家族がいて、
たしか、恋人だっていた。
何も無いのは…

思わず、日本酒に手が伸びる。
何も無いのは、都会の方だったのかもしれない。

少し濁ったお酒を眺めながら、
東京でどうしても見つからないものたちを、思う。
いつしか手の上のスマートフォンは、
新幹線の予約画面を開いていた。

今宵も、一杯。
五明

感想

ボディコピーの魅力が十分に伝わる一冊。見せるWEBでは伝わりづらい、読ませる紙ならではの手法ともいえる。ボディコピーがしっかり書けるようになってこそ、コピーライターとして一流といえるような気がした。

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