学習や急な出張に必携!マンガを通じてロシアが分かる入門書

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改訂版 ロシアのことがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス)

 「ソチ五輪パラリンピック」や混迷を極める「ウクライナ政変」で今、改めて注目が集まるロシア。本書は学生や多忙なビジネスパーソンにも短時間でロシアとはいかなる国なのか?楽しみながらロシアの基礎情報を学べる入門書だ。
 「ウクライナ政変」でロシアに進出している日本企業の資源エネルギーや自動車産業分野での打撃は必至だと連日報じられている。
 それというのも、近年日露経済関係は重要度を増してきているからだ。
 2012年の日露貿易は輸出入合計で335億ドルと過去最高で、10年前に比べると約7倍に増加。
 過去、モスクワに拠点のある日本企業の数は200以上にのぼるも、商社や大手電機メーカー、自動車メーカーを中心に70社程度とその進出分野は偏っていた。
しかし2005年4月のトヨタ現地工場建設の発表を契機として、日本企業は金融、保険、物流、サービス、医療など現在では多岐に渡っている。
 出張等でロシアを訪れたり、在住するビジネスパーソンが最低限身につけておきたい知識とは何か。
 ロシアビジネスの最新状況を知るためには、ジェトロやロシアNIS貿易会のHPや定期発行物をチェックすることだ。他にも(株)JSNが発行する週刊情報誌「ボストーク通信」や(財)環日本海経済研究所の「ERINA REPORT」に目を通すといい。
 いざ、ロシアの地を踏む前に、コーヒー1杯1000円と首都モスクワは「世界で最も物価の高い都市」と言われている常識を身につけておきたい。ビジネスホテルやオフィス賃料は日本の2、3倍。住宅費も庶民には手が出せないほど高く、郊外のサービスアパートメントを借りて、外食するくらいなら自炊した方がまだ暮らしが安定するというほど。
 マスメディアで度々報じられるテロなどのロシアの治安面に注意することはもちろん、軽犯罪や不測の事態に備え、ビジネスリスクをいかに回避すべきかにも気を付けておきたい。
 工場建設や不動産取引を行う際には、その権限を持つ政府、地元の自治体、区役所などとの関係を取り持たねばならないが、最初から政府高官などの政治的コネクションに頼ることを期待すべきではない。企業間の取引でのトラブルは、契約を精緻することと、民間のコンサルタントを活用した予防策を十分に取ることが必要だという。それでもトラブルが起きてしまった場合は、日露首脳の合意に基づき設立された日露貿易投資機構に相談することが推奨されている。
 大規模プロジェクトの場合は国際金融機関を関係させるのも一つの対策だ。また欧州復興開発銀行(EBRD)は外資参入にあたり出資を共有し、国際的な圧力をかける役割も果たすことになっている。
 近年の日本の安倍首相とロシアのプーチン大統領は米国よりも多く会談を重ねる外交を行い、ロシアの親日派をイメージ付けているが、そのビジネス流儀は非常に厳しい。単なる市場調査的な姿勢ではまず相手にされない。具体的なビジネス提案の上に、ロシア企業にコンタクトを取るべきだし、英文ビジネスメールを送るだけではなく、すぐに電話をかけてロシア語で確認した方がいいという。いざ、交渉が始まっても、日本あるいは欧米のように情報が豊富ではなく、少ない情報源で状況を判断する必要があるのだそうだ。一方、一度心を許したらアジア的な感覚で付き合える「おもてなし」の文化もあるので、畏まらず、本書を活用してロシア人との付き合い方やビジネスを成功させるヒントになれば幸いだ。

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