これからの情報革命WEB2.0がわかる本「ウェブ進化論」

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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

■WEB2.0とは何なのか?

 言葉だけが独り歩きしてしまい、その本質が曖昧となっている「WEB2.0」というIT概念はどのようなものだろうか。WEB2.0とは、WEB技術の進化によって可能となった高度なユーザー参加型サービスを指すことが多いようである。これまでのWEBが、一方向、質の低い情報源だったのに対し、今は利用者が双方向的に参加することで、質の高いサービスがより多くのユーザーに提供される。Wikipediaやmixi、オープンソースや個人のブログといった知の叡知が、企業や学者による情報やサービスよりも優れる可能性が高いと本書は指摘する。

■チープ革命が社会を変える

WEBの進化は、社会の在り方も変えてしまう。チープ革命により、将来、誰もが手軽にIT技術を手に入れることが出来るようになる。一部のメディアや企業が独占していた情報や商品の市場が、広く多数に開かれてゆくということである。

■グーグルという革命児の凄さ

本書を読むと、グーグルという企業の思想や技術力の凄さに圧倒される。多くの人は、グーグル=検索エンジンという認識程度だが、ネットの「あちら側」に主眼を置くグーグルのビジネスモデルを未来的と捉え、あくまでサービスの為にWEB技術を「こちら側」で利用するヤフーや楽天を前時代的と本書は指摘する。
消費者を対象としている以上、これまでのIT企業は、あくまで「サービス産業」としての意識が中心だった。グーグルだけが、「テクノロジー産業」という位置から出発した為、現在のような独特のビジネスモデルが確立されたといえる。
「増殖する地球上の厖大な情報をすべて整理し尽くす」という企業理念を体現するかのように、グーグルは常に便利で新しいサービス、整理された情報を私たちに提供し続けている。

■ロングテール現象とAmazon

ロングテール現象とは何か。これは、商品やサービスの売上グラフの形に由来している。多くの企業では、8:2の法則が通説とされている。売上の8割は、上位2割の商品が占めている。これをグラフにすると、上位2割商品の売上棒グラフの部分が、恐竜の頭のように突出している。右にいくにつれてそれは下がってゆき、ほとんど0に近い部分をテール(尻尾)と見立てる。
このテールの部分の売上、これが塵も積もれば山となる。ロングテール現象という言葉の由来である。
実際の店舗では、売り場面積の制約があり、2割の商品を広く並べて売るのが一般的だが、売り場という物理的制約のないネットショップでは、多種類のものを多くの人に売る。ニッチな商品の集合こそが、大きな売上となり得る。

■ブログの有用性

本書では、知的生産の道具としてブログの有用性を薦めている。
「実際ブログを書くという行為は、恐ろしい勢いで本人を成長させる。それはこの一年半の過程で身をもって実感した。ブログを通じて自分が学習した最大のことは、{自分がお金に変換できない情報やアイデアは、溜め込むよりも無料放出することで、(無形の)大きな利益を得られる}ということに尽きると思う。」
「まず個人にとってのオープンソースとかブログとは何か。それはポートフォリオであり、面接であり、己の能力と生き様がそのままプレゼンテーションの装置として機能する」

★著者の提案するブログの知的生産道具としての歩み寄り方
・対象となる情報源がネット上のものである場合は、リンクを張っておくだけではなく、できるだけ出典も転記し、最も重要な部分はコピー&ペーストする。
・対象となる情報源がネット上のものでない場合は、出典を転記し、最も重要な部分だけ筆写することである。筆写部分の分量を常識的な線におさえれば、著作権の事を心配することはない。

引用まとめ

■6次の隔たりという有名なアイデアがある。地球上の任意の2人を選んだ時、その二人は、6人以内の人間関係で必ず結ばれているというもの。
■たしかにネット世界は混沌としていて危険もいっぱいだ。それは事実である。しかしそういう事実を前にして、どうすればいいのか。忌避と思考停止は何も生み出さないことを、私たちは肝に銘ずるべきなのである。
■異質なものを異質なものとくみあわせていけば、「個」にとってはさらに無限の可能性が広がる。
■10代で「コンピュータの私有」に感動したゲイツ世代は、インターネットの「こちら側」への拘りを今も捨てきれずにいる。しかし10代で「パソコンの向こうの無限の世界」に感動したページ、ブリンの世代は、インターネットの「あちら側」に全く新しい創造物を構築しつつある。まさに世代交代のときなのである。

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