昔懐かしい日本の情景

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銀の匙 (小学館文庫)

某有名漫画と同じタイトルですが、

作者が体験した子ども時代のことを書いた自伝的小説です。
昔ながらの日本の下町の様子が描かれます。
別にその時代を体験したわけでもないのに、
そういう情景を思い浮かべると、とても懐かしい気持ちになるのが不思議です。
淡い色合いの静かな情景。
主人公のことをかわいがってくれているおばさんがどうした、とか、隣に越してきた女の子とこういう遊びをした、とか、学校でこんなことをしでかした、とか、書かれている内容は、その時代の一般的な日常。
それが淡々と続き、やがて主人公は子どもから青年へと育っていきます。

この本の特徴は解説がしっかりついていること。
巻末に解説がまとめて収録されているのではなくて、本文の下に少しずつ書かれています。
しかも、文豪作品の解説として収められているような、専門的で文学論的な解説とはちょっと違います。
というのも、これは国語の先生が実際に行っていた授業を再現しよう、という意図で作られている本なので、言葉の意味だけでなく、読み進めるためのヒントになるようなことも書いているので、とてもわかりやすい解説です。
文豪作品とか古典とか読み進めるためには、こういう解説の方がうれしいと思います。
もっと分かりやすい解説が増えてくれるといいのに、と思いました。

銀の匙 (小学館文庫)

銀の匙 (小学館文庫)

  • 中 勘助,橋本 武

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