がん保険は北東アジア特有の保険? がん保険の真実

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がん保険のカラクリ (文春新書)

がんは北東アジアに特有の保険?

がん保険は北東アジアでしか流行していないから、他の国は意味のあるデータがない。欧米では心臓病や脳梗塞など、他の病気に関する保障も含めた「重大疾病保険(Critical Illness Insurance)」として販売されているが、がんに特化して保障する商品はほとんど見ない。

世界的に見ても、ここまで「がん保険」という単品商品が普及しているのは、日本と韓国・台湾だけ。

がんの死亡率をきちんと考えよう!

がんによって死亡する「確率」が高まったわけではない。高齢者が増えた結果として、社会全体としてがんを理由として死亡する人の割合が増えているだけ。このように、がんに関わる数字やグラフを見る際には、それだけでは読みとれない情報も加味する必要がある。

がんに罹る確率は高齢になって急速に高まる、ということである。まず、30歳の人が10年間でがんに罹患する確率は、男性0・5%、女性1%だという。それでは、10年間で罹患率0・5%とか1%というのはどれくらいの確率だろう。

身近な例で考えてみる。中学校の学年に400人生徒(男女200名ずつ)がいたとする。30歳から10年ぶりに同窓会に出席すると、30歳から40歳までの10年間で男性は1人、女性は2人ががんに罹患している計算となる。身近な実感に合っているような気もするが、どうだろう。

40歳になると、10年間の罹患率は男性が2%、女性が3%。50歳からは男女ともに5%、60歳では男性が14%、女性が8%と急速に確率が高まる。70歳では男性が26%、女性が12%というから、かなりの人ががんに罹ることが分かる。生涯を通じた罹患率は男性が54%、女性が41%である。

つまり、がん罹患率は30代・40代では100人に1~3人と低いが、50歳で20人に1人、60歳を過ぎるとおよそ10人に1人と高まり、70代では約5人に1人と極めて身近なものになるのである。したがって「2人に1人ががんになる」というメッセージも、年齢によって意味が大きく異るのである。

がんに罹ったから直ちに死亡するというわけではない。死亡率は罹患率よりもずっと低い。30代のうちは0・5%の男性が罹患しても0・1%しか亡くなっていない。これに対して、70歳では男性の罹患率26%に対して死亡率が11%、女性の場合は12%に対して5%だから、がんに罹った人の2人に1人が亡くなる。

なお、一口に「がん」と言っても、部位によって罹患率も生存率もさまざまだ。例えば、男性に一番多いのが胃がん、大腸がん、肺がんの順であるのに対して、女性は乳がん、大腸がん、胃がん。

若いうちにがんに罹る確率は高いわけではないが、決して起こり得ないことではない。30代、40代の人であれば、それぞれ10年間で0・5~3%の確率で罹患する。もっとも、死亡する確率は0・1~0・5%程度である。

年を重ねるにつれて、がんに罹る確率はかなり高くなる。60代では10人に1人、70代では5人に1人だから、いつかは自分も罹患する、そう考えるくらいがちょうどよい。罹ったら死亡する確率も高いが、半分以上の人は生存している。

男女によって罹りやすい部位は異なり、部位によって生存率は大きく異なる。

このように考えると、確かにがんは誰にも起こりうる病気であることが分かる。自分が罹らなくても、家族や友人まで含めればいつか必ず直面するだろう。そう考えると、誰もがこの病気について理解を深め、正面から向き合う必要がある。本来であれば、学校教育でも基本的なことを教えるべきだ。私たちは、あまりにもこのがんという病気のことを知らない。

感想

ライフネット生命岩瀬さんの本。かなり詳しくがん保険のからくりが説明されている。医療保険って本当に必要ないなとあらためて思わされた。保険のビジネスモデルを知りたい人にもおすすめの本です。

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