格差が拡大し、二極化する日本の夫婦。その鍵を握るのは妻だ。

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夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)

夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち

格差で重要なのは「家計所得」

  • 格差を語るとき、注目しがちなのは「個人の所得・賃金」であるが、人は一人で生きることは少なく、通常は家族を構成して暮らす。そのため、「家計所得」が重要な概念となる。
  • 今や夫の所得額とは無関係に、妻は働くか働かないかを決める。このことは、家計所得の格差拡大(すなわち不平等化)を促すので、日本社会の格差拡大を説明する一つの要因。
  • 夫婦の総所得について、夫の所得額のみならず、妻の所得額が左右する程度が大きくなっている。かつての「夫の所得が高ければ妻は働かず、夫の所得が低ければ妻は働く」ことで、家計所得の平準化されていた時代は過去のものになっている

二極化する「家計所得」

  • 夫と妻が双方ともに雇用者であれば、家計所得を平等化する時代は終わり、むしろ格差拡大・不平等化に寄与する時代となっている
  • 夫婦の合計所得の最も低いグループ(夫が低所得で妻が無業「18%」)と、最も高いグループ(夫婦共に高所得「11%」)とで、実に年間800万円以上の所得格差が生まれている
  • 男性の所得が低下している中、男性は、女性に働いてほしいと希望し、女性は、低所得や失業中の男性が相手では結婚に踏み切れないと宣言している

日本の恋愛需要

  • 女性が男性の容姿を「考慮する」「重視する」割合の合計は、1992年68%、2002年73%、2010年77%と確実に高くなってきている。
  • 日本では働く場所で知り合う機会が最も多い(恋愛結婚の3分の1)。男女の出会いに、職場が大きな役割を負っているということは、逆に言えば、男性ばかりの職場、女性ばかりの職場では、異性と知り合う機会が少なくなるということ。
  • 内閣府の既婚者が結婚した理由調査で、20歳代の既婚女性の40%が「さずかり婚」(できちゃった婚)を結婚の理由に挙げている。この広がりは、幻想ではなく、まさに現実
  • 夫が専門・技術職の場合、妻も専門・技術職という割合が29%なのに対し、妻が専門・技術職の場合は、夫も専門・技術職という割合が47%も占めている。専門・技術職同士の夫婦が、「パワーカップル」の代表例

結婚をするには?

  • 結婚相手を見つける経路として、友人の紹介が重要性を増してきている。友人(異性を含む)の数が多いコミュニケーション能力にすぐれた女性ほど、結婚に至る確率が高い。しかし、未婚女性は30代に入ると、友人の数が減少する
  • 若い男性が結婚するか、しないか(できないか)の差は年収300万円が境。年収300万円未満の男性は、結婚しても経済生活ができないと考えている。また、年収300万円未満の男性は「恋人なし」「交際経験なし」が過半数。女性との交際にはお金がある程度必要

養育費は取れるのか?

  • 実際に、離別した父親から養育費を受け取っている母親はわずか20%。制度が機能していない。夫婦の多くは、協議離婚という方法で婚姻関係を解消するが、その過程で、養育費、共有財産、慰謝料など金銭に関する取り決めをした母子世帯の比率は38%にとどまる

年規模による違い

  • 女性は都市規模が小さくなるにつれて未婚率が減少する。一方、男性の場合の未婚率は、都市部で高く、都市近郊で低く、山間地でまた高くなり、U字型を描く
  • 既婚者の多い地方では、意外にも恋人がいる人の比率は低く、男性は、異性と交際したことのない比率も高い。一方、未婚者の比率が高い都市では、恋人のいる比率が高い。都市では恋人がいても結婚につながらないが、地方では婚姻への圧力が高いと考えられる

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