レヴォリューションNo.0(金城一紀)の書評・感想

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レヴォリューション No.0 (角川文庫) [kindle版]

http://blacknightgo.blog.fc2.com/blog-entry-2004.html

本書は、ゾンビーズシリーズの最新刊
僕達のいる高校は、偏差値42。オチコボレたちの集まる高校だ。その高校が今年、新入生を200人多く取った。
どういうことか分かるだろうか?
屋上で決闘をしていたという理由で一斉に退学になった僕らは、一週間後学校に復帰して驚いた。教室から椅子と机が大分減っているのだ。聞けば、退学者が続出しているのだとか
何が起こっている?
風紀の乱れが深刻だとかで、学校側が急遽三泊四日の合宿を決めた。参加しない者は退学だという。
その合宿は、まさに教師による虐待と言った方が正しく、高い壁の張り巡らされた脱出不可能な所に閉じ込められ、ひたすら山を登らされるのだ
野口という体育教師の息子の暴露で、この合宿の裏を理解した僕らは、全力で抵抗することに決めた…
というような話です
僕が大好きなシリーズの最新刊で、もちろん面白かったんですが、分量が150ページちょっとと少なく、もう少し長い物語が読みたいなぁ、と思ってしまいました。あと、僕のとにかく弱点である、本を読んだらすぐ忘れてしまうという点が大きく邪魔をして、これまでのシリーズ作品のことをすっかり忘れてしまっているので、誰がどんなキャラだったかなぁ、みたいなことをあんまり理解出来ていないまま読んでしまったというのもちょっと残念でした
この物語は、「No.0」とついているように、これまでのシリーズの前日譚的な位置づけです。で、シリーズの完結編だそうです。ゾンビーズ結成前夜の物語なのですね
話としては、やっぱりもうちょっと長かったら良かったなぁと思ってしまう部分はありましたけど、いつものゾンビーズの感じが出ていてよかったです。こういう関係性って、羨ましいですよね。なんだろう、言葉ではない部分で繋がっている、名前の付けられない関係、っていう感じがします。こう、安心して誰かに何かを任せられるとか、体を預けられるとか、あるいは、こいつだったら絶対こうするっていう期待を裏切らなかったりとか、そういうことが気負う事なく自然体で出来てしまう関係性って凄いと思うんですね。全員が、前提となる『何か』を、言葉ではない形で共有できている、という感じです。こういう関係性に出会えるかは、もはや運だけど、彼らの素晴らしいのは、自分たちの関係性が比類ない大切なものだということを、なんとなくどこかで感じ取れている、ということだと思うんですね
あと、本書に限らずこのシリーズで強く描かれているのが、学校という場の閉鎖性とか、無意味さとか、そういうものですね。僕も、特別人に話せるような何かがあったわけではないんだけど、中学高校時代はなかなか大変だったし、学校という場に似たような不信感を抱いていたりする人間です。その強烈なまでの違和感は、今では大切なものだったと思えるようになったけど、当時はもっと自然と学校という場に馴染めたらいいのになぁ、とどこかで思っている部分もあって、まあちょっと複雑だったかなぁ。飼いならされてしまうのは、恐ろしいと思います
最後に、本書で僕が一番好きなフレーズを抜き出して終わろうと思います

『いまの学校にいて分かったことがあるんだ。なにかが間違ってるのに、それが当たり前みたいになってたら、そのままにしておいちゃいけないんだ。間違ってるぞってちゃんと声を上げたり、間違いを気づかせるために行動する人間が必要だと思うんだ。僕はそのためにいまの学校にいたいと思ってるんだ』

感想

というわけで、これはさすがに、シリーズを読んでない人にもオススメ出来ます、とは言えないですが、ゾンビーズシリーズは素晴らしい作品なんで是非シリーズを通じて読んでみて欲しいなと思います。

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