池上彰がわかりやすく伝えることが出来る5つのポイント

12876viewskaidamokaidamo

このエントリーをはてなブックマークに追加
わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

はじめに

本書は「分かりやすい解説」をさせたら右に出る者がいないと言われる池上彰氏の著作です。この本では彼がいかにして様々な事象を分かりやすく捉え、まとめ、考え、伝えているのかという手の内が少し明かされています。

「伝えたいことがあるのにうまく言葉や文章にできない」「プレゼンで何をどのように話したら良いのか分からない」「図解などを応用することでもっとうまく物事を捉えられるようになりたい」などとお考えに人びとは本書を一読されることをオススメします。

・ポイント1 「話の地図」を相手に示す

「あらかじめ「いまからこういう話をしますよ」と聞き手にリードを伝えることを、私は”話の「地図」を渡す”と読呼んでいます。「きょうはここから出発して、ここまで行く」という地図を渡し、「そのルートをいまから説明します」という形をとることで、わかりやすい説明になります。」と著者は説明しています。

結局、要領を得ない話というのは出発地と目的地があいまいなことが多い気がします。話の最初に明確に出発地と目的地を示すことによって、相手が理解しやすくなりますし、なによりも自分がその地図をつくる過程において話をうまくまとめることができると著者は主張しています。

では、その「地図」はどのようにすればうまく作れるのでしょうか。

・ポイント2 話の内容を「見える化」して構築する

「1 話すべき内容をまず箇条書きにしてみましょう。 2 その箇条書きにもとづいてリードをつくりましょう。 3 今度はその箇条書きの内容がそのリード通りになっているか検討しましょう。 4 リードにふさわしくないところが出てきたら、順番を変えたり削除したり付け加えたりしましょう。」

このような工程が意味するところは、「見える化」です。構成要素を羅列して、それをうまく配列・加工することによって話を作り上げていくわけです。ここでポイントとなるのが書いたり話したりすることによって、「その内容を自分の中からいったん外に出すのです。」

このような作業を経たあとにすることは、これらを整理することです。

・ポイント3 「階層化」することで話の柱や枝を作る

「見える化」の作業で構築されたものはどうしても平面的なものになってしまいがちです。これらを有機的に結びつけより立体的に話を構築する上で欠かせないのが「階層化」の作業と言えます。

「発表したい内容を「対象化」することで、自分の頭の中で考えていることが「見えて」きます。その内容を検討すれば、さらに細分化させることが可能になります。これが「階層化」です。」

・ポイント4 話を聞く相手の立場に立つ

「相手の立場で物事を考えろ」とはこれまで何回も言われてきたことだと思いますが、著者のニュアンスは少し違います。つまり、相手に最大限に理解してもらい、話の意味を肌で感じてもらうためには、聴衆がどのような言葉なら敏感にキャッチするかを考えなければいけないということです。

いくつかの例を出してこのことを説明しています。専門用語を極力使わないようにしたこと、地図を多く使ったこと、同じニュースでも言い回しによって聞き手の注意が大きく変わること、などなどです。

・ポイント5 本当に理解していればざっくり説明できる

相手に複雑なことを説明しようとする時は、ついあれもこれもと内容を盛り込んでしまいがちです。より正確さを期すためにやっていることが、かえって相手の理解の妨げになっていることはよくあることです。

しかし著者によれば、本当に物事を理解している人は、説明すべき内容と割愛してもよい内容の峻別がしっかりとできているため、ざっくりと分かりやすく説明することができるのだと言います。全体像が頭に入っているからこそ、落とすべき要素の選択も容易だということです。

「よく理解していれば、わかりやすく説明できる。わかりやすく説明しようと努力すれば、よく理解できる。」
けだし名言だと思います。

感想

池上彰氏がなぜあらゆる方面の問題や複雑な事象を素人にもあれだけ分かりやすく説明することが可能なのかが、少し分かった気がします。もちろん日々努力されていたのだとは思いますが、池上氏自身も数多くの失敗を経て、現在のような捉え方や伝え方ができるようになったのだと本書を読んで分かりました。

なお、上にまとめたのは本書の前半部分です。
後半部分は主に発表に関するTips的な内容になっており、ここにわざわざ記すことでもないと思いました。パワーポイントの使い方、スライドの効果的な示し方、発表上の注意、時間の使い方、言葉の使い方、声の出し方などが書かれています。
興味があれば、後半部分も読んでみて下さい。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く