介護の前に知っておきたい!成年後見制度とその課題

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成年後見制度とその課題とは?

認知症高齢者を、経済的虐待や消費契約・詐欺の被害から守る仕組みのひとつに、2000(平成12)年に法制化された成年後見制度があります。近年では年間3万件ほどの申し立てが行われています。

この制度は、認知症高齢者以外(知的・精神障害者等)も対象となるのですが、認知症高齢者の申請の伸びが大きくなっています。

成年後見制度の普及が進む一方で、いくつかの課題を抱えています。たとえば、後見人等選任の法的手続きに費用がかかること、後見人等への委託に一定の報酬支払いが必要で、所得の少ない高齢者には利用が難しいことなどです。

さらに、申し立て件数が増えることで、後見人等の引き受けをしてくれる人が足りなくなってきます。後見人等を第三者に委託する場合、必ずしも専門職である必要はありませんが、業務の性格上、高い倫理観と一定の法的知識が問われるため、気軽に引き受けるわけにもいきません。

手続きの費用

手続きの費用は、申し立ての際に印紙・郵券として800円から1万円程度、鑑定を行う場合には5〜15万円程度の前納が必要です。さらに、後見人等に対する報酬は、ケースごとに決まるものの、月額数万円程度が多いようです。特に、この毎月の報酬は、高齢者にとって決して安くありません。

利用支援策は?

受任者の拡大のために法人後見(社会福祉協議会などの公益的な法人で受任)や複数後見(複数の者で受任)を可能とする制度改正が行われました。また、市民後見人の養成も進んでいます。

さらには、費用面の支援を行うために、介護保険制度の地域支援事業(任意事業)のなかで、高齢者を対象とした成年後見制度利用支援事業が実施される市町村もあります。

市民後見人の活用の推進

こうした状況を背景に、従来から、少数ながら存在する市民後見人(一般の市民が後見人を担うもの)の活用に注目が集まっていました。そこで、今回の介護保険法改正にあわせて老人福祉法も改正され、各市町村が市民後見人の養成研修を行う仕組みが導入されました(実際には市町村が研修機関に業務を委託)。

この研修修了者に後見人等の候補者となってもらい、市町村が家庭裁判所に推薦をし、選任を待つ形になります。これにより、市民後見人を活用して成年後見制度が利用しやすくなることが期待されます。

ただし、専門職が後見人等を務める場合にも不正行為が起こる可能性や実態がありますから、公正な業務実施に向けた対策も不可欠でしょう。

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