封印再度の名言

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封印再度 WHO INSIDE (講談社文庫) [kindle版]

ミステリとして面白いだけでなく、教育と人生について、考えさせられる内容でした。

封印再度の名言

概要

  • 50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

教育とは

  • 犀川は、もともと教育なんて行為を信じていなかったし、自分が教育者だなんて自覚したことは一度だってない。教育者には、物を教えることができる、という思い上がった信念が存在する。それが犀川には全く馴染めない。手を出さない子どもにお菓子を与えることができないように、教育を受けるという動詞はあっても、教育するという概念は単独では存在しえないのである。
  • それに、教育には水が流れるような上下関係がある。しかし、学問にはそれがない。学問にあるのは、高さではない。到達できない、極めることのできない、寂しさの無限の広がりのようなものが、ただあるだけだ。学問には、教育という不躾な言葉とはまるで無関係な静寂さが必要であり、障害物のない広い見通しが不可欠なのである。小学校、中学校と同じように、大学校と呼ばない理由は、そのためであろう。
  • 学問にあるのは、高さではない。到達できない、極めることのできない、寂しさの無限の広がりのようなものが、ただあるだけだ。学問には、教育という不躾な言葉とはまるで無関係な静寂さが必要であり、障害物のない広い見通しが不可欠なのである。

人生とは

  • 「贅沢とは、ある意味で生きるために必要なものです。権力を誇示する贅沢、それに、自己の感性を確認するための贅沢。しかし、僕が言っているのは、それを差し引いても残るものです。これは、無駄です。人間の歴史は、無駄でできた地層みたいなものなんです。これらは、偶然ではなく、意図的に役に立たないように、わざと無駄に設計され、それゆえ、普遍性を得るのです」
  • 単純な生き方をしようと望んでいるのに、どんどん人生が複雑になっていくことを象徴しているようじゃないか。自分の人生は一本道なのに、それが他人の糸と絡み合って、織物みたいに歴史がつくられる。
  • 「なりたいものになれない人はいない」と犀川助教授はいつも言っている。「なれないのは、真剣に望んでいないだけのことだ。自分で諦めてしまっているからなんだよ。人間、真剣に望めば、実現しないことはない」
  • 「子供の頃の発想というのは。自分で言うのもなんだけど、天才的だね。とても自由で……、飛躍している。たぶん、その一日だけ、僕は天才だった」
  • 未来のことを考えている間にも、未来は、自分の影のように逃げていく。影はしだいに長く、大きくなり、ついにすべてが闇になる。未来は着々と拡散していくのだ。

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