お風呂「難易度」が高い!波平さんで考える介護の問題

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磯野家の介護 [kindle版]

磯野家、干物のにおいの巻

晩ごはんのあとのくつろぎのひととき。こたつでまったりしていたサザエは、何となく磯の香りを感じて、こたつの中をのぞき込みました。タマが中で魚でも食べているのではないかと思ったからです。

そのとたん、向かい側でこたつにあたっている波平の方から、かなり強烈なにおいが漂っていることに気づきました。

「父さん、最近いつお風呂に入った?」

いぶかしげなサザエの質問が聞こえない振りをする波平。その代わり、フネが答えます。

「お父さんは、『お風呂は面倒だ!』の一点張りで、ここひと月も入っていないのよ」
「母さんは黙っていなさい。風呂に入らなくて死んだヤツはいないんだから」

波平はいたずらを見つけられた子供のように、小声でフネに文句を言って黙り込みます。

「父さん、お風呂に入らなきゃダメじゃない」

サザエが指摘すると、フネがかばうように説明します。

「でもね、お父さんは先月お風呂で転んでお尻にアザを作ったから、懲りちゃったのよ」

よくよく見れば波平の首回りにはうっすらと垢がたまり、あれほど大事にしていた髪の毛も、なんだかツヤがありません。

「ただいまー」

玄関にマスオが帰ってきた声がしました。サザエが迎えに出ると、

「おなかすいたー、今夜はクサヤの干物でも焼いたの?」

と廊下からでもマスオはにおいを嗅ぎつけています。

「なんとかして父さんにお風呂に入ってもらう方法はないかしら……」

サザエは考え込んでしまいました。

お風呂は「難易度」高し!

入浴をいやがるボケ気味の高齢者は少なくありません。「暗い」「寒い」「面倒」「汚れてない」となんだかんだ言いわけして入浴を拒否しようとします。自分でする入浴は、服を脱ぐ、湯につかる、体を洗う、体を拭く、服を着るといった多くの動作を伴います。

順を追って動作を行っていくということが極端に苦手になっていくボケ気味の高齢者にとって、それはとても集中力がいることで、骨の折れる作業なのです。また、無意識のうちに「滑るのではないか」「溺れるのではないか」といった恐怖や不安も、感じています。

お風呂は高齢者の家庭内事故がもっとも多い場所。まずは、ケアマネージャーさんなどに相談し、浴槽や浴室の床に敷く滑り止めマットを用意してあげるのがいいでしょう。また、介護保険を使えば、浴室や脱衣所に手すりを取りつけることもできます。

認知症の初期なら、家族などの人手がある昼間に、入浴を手伝いながら入ってもらうことができます。しかし、入浴介助というのは肉体的にも精神的にも想像以上に骨が折れるもの。そんな時にはやはり、訪問入浴サービスなどプロの手を借りてみることをおすすめします。

また、デイサービスでも入浴サービスが受けられます。実際、お風呂の問題が起きたことをきっかけにデイサービスの利用を考える家族はとても多いのです。

感想

サザエさんが題材になるだけでリアル感を感じる。介護のことに真剣に考える時代がやってきたんだなと感じます。

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