穏やかな死で起きる変化。「死ぬ」ということを考える。

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穏やかな死に医療はいらない [kindle版]

穏やかな死で起きる変化

すべての看取りにはそれぞれのドラマがあり、一つとして同じものはありません。でも、だいたいの変化を知っておくと、気持ちの準備をすることができます。これから起きるであろう患者さんの身体の変化とご家族にできることを説明します。

①亡くなる一週間前から数日前

食事をとれていた方でも食欲が低下して、飲食の量が減っていきます。ここで点滴によって水分や栄養を補給しても、むくみや息苦しさを引き起こすだけです。氷やかき氷、アイスクリームなどあげると、喜ばれたりします。でも、無理に食べさせる必要はありません。

体力が低下して疲れやすくなり、だんだん寝ている時間が長くなります。起きていてもうとうと眠そうにしていて、夢と現実を行ったり来たりするような状態になることもあります。時間や自分がいる場所について混乱が生じ、つじつまが合わない話をしたり、ご家族や身近な人の顔がわからなくなったりします。ご家族は患者さんの言葉を否定したりせずに、付き合ってあげましょう。

②亡くなる数日前から数時間前

突発的に手足をバタバタさせたり大声をあげるなど、落ち着きのない状態が現れることがあります。呼吸が不規則になり、肩やあごを上下させて呼吸をするようになります。数秒から数十秒止まったりすることもあります。

唇が乾燥してネバネバした唾液が口の中にたまって、呼吸をするときにゼロゼロという音がすることがあります。

苦しそうに見えるので、吸引器で痰や唾液を吸引してあげたくなるかもしれませんが、またすぐに同じ状態になることがほとんどですし、吸引は苦痛を伴うので僕はお勧めしません。深く眠っているときは、周りで見ているほどご本人は苦痛を感じていないと思われます。

また、手足が冷たくなり、血色が悪くなったり、尿量が減少し、ときにはまったく出なくなったりします。

③亡くなったとき

呼吸が止まり、胸やあごの動きがなくなります。体を揺り動かしても、大声で呼んでもまったく反応がなくなります。

こうした兆候は、心や体が安定して穏やかな終末期を送っていた患者さんほど突然現れます。実は最後まで自分らしく自由に生きたいという強い気持ちを持っている人ほど、ぎりぎりまで会話をして、食事をしたり歩いたりしています。

だから①がなくて②の状態になったと思ったら、わずか半日で亡くなってしまった……という方も少なくありません。

感想

このところ年をとった親と向き合うことが増えたので、「死ぬ」ということをどうデザインすればいいのか考えています。金子哲雄さんの生き方もさることながら、自分が望む「死」のイメージをいろいろと実例でしることが大切なのかなと考えています。

本書も、終末期医療を考える上で非常に参考となる本でした。

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