スクールカーストをはっきりと知る。

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教室内(スクール)カースト [kindle版]

現代の日本の学校空間において生徒の間に自然発生する人気の度合いを表す序列を、カースト制度のような身分制度になぞらえた表現なのですが、この本は、それについてまとめてあります。

スクールカーストをはっきりと知る。

スクールカーストの特徴

  • 学校生活の中では何らかの形のスクールカーストが存在し、その中で様々な葛藤を経験しながら「地位」に見合った振る舞いを要求されている。
  • 特に中学校以降になると、個々の生徒が何らかのグループに所属し、それぞれのグループに名前をつけて、グループ間で「地位の差」を把握している。そこでの「地位の差」は「いじめ」として表現されることはなく、日常的な教室の風景として語られていく傾向にある。
  • 修学旅行の班決めの際に、「スクールカースト」が顕著に表れる。
  • スクールカーストは学年が上がるとともに地位が下がることは容易でも、上昇することは難しい構造になっている。
  • 「イケてる女性が何かの理由で立てようとする男子は強くなっていくような」
  • すなわち、生徒にとっては「スクールカースト」は逃れがたい「権力」として作用している。他方で、教師にとっては「スクールカースト」における上下関係は「コミュニケーション能力」など生徒の「能力」を基盤として成立しているものと解釈されている。生徒と教師が、同様の「スクールカースト」現象を目の前にしながらも、生徒はそれを「権力」と感じ、教師はそれを「能力」と解釈している。
  • 学校というのはとても不思議な場所です。そこにいたときに抱えていたもやもやした薄暗い感情は、卒業式が近づくにつれて、だんだんきれいな思い出に書き換えられていき、楽しいことばかりが頭の中をめぐるようになります。/そして卒業してしばらく経つと、いつの間にか、なぜ自分があんなに悩んでいたのかわからなくなってくるのです。あのころ感じていた薄暗い感情なんて、まるで最初からなかったかのようにさえ思えてきます。

スクールカーストには教師も絡む。

  • いじめをめぐる諸議論において、教師は「いじめ」を早期に察知し、それを是正するための策をとるべき存在として位置づけられますが「いじめ」の培養地である「スクールカースト」の維持に教師が加担してしまっている。
  • 教師は児童生徒側の認識とは異なり「スクールカースト」の上位に位置づく児童や生徒にきわめて好意的印象を持っている。また、逆に、下位に位置づく生徒に関しては、そうした「能力」を持たない生徒であると認識しており、彼らに対する評価は極めて低いことが分かりました。
  • スクールカーストによる地位の差を教師たちは「生きる力」や「コミュニケーション能力」「リーダー性」といった「能力」の違いにいよるものだと解釈し、そのため「スクールカースト」それ自体に肯定的な見解を示すようになると考えている。
  • 生徒が「権力」として「スクールカースト」を把握していたのに対して、教師は「スクールカースト」による「地位の差」を、「能力」として把握している。
  • 教師が学級経営戦略に「スクールカースト」を利用している。教師は、生徒の「スクールカースト」上の「地位」を把握することを、教師として、もしくは学級担当として、非常に重要であると考えている。
  • 生徒を思いのままに動かすことのできる権利は教師には全く与えられておらず、それゆえ、教師はその権利を権力のある生徒と仲良くなることによって分けてもらっている。

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