大河ドラマ『八重の桜』と同じ時代を生きた会津藩士が主人公。

2058views国中千鶴国中千鶴

このエントリーをはてなブックマークに追加
戊辰繚乱

時は、幕末。

最後まで幕府軍として戦った会津藩。
その会津藩の預かりとなり共に戦った新撰組。
主人公である会津藩士の山浦鉄四郎は、新撰組の隊士でもあったので会津藩の動向とともに新撰組の人物たちも描かれています。
政局に振り回されて、仲間と別れて郷土に帰ることもできず、戦い続ける鉄四郎。
そして、彼が思いを寄せる女性、中野竹子。
美しく、けれど男勝りな人。
薙刀で政府軍と戦おうとした人。
時々竹子さまの方の描写に移ることがあって、そのときには鉄四郎のいない会津の様子などが書かれています。

会いたいのに、会えない。
帰りたいのに、帰れない。
連絡を取ることさえままならない。
まして戦争の最中。
手紙を出して相手に届くまで一体どれくらいの日数が必要だったのか。
そういうことを思うと、時々書かれる二人の手紙の部分が切なく感じられます。
届いた手紙を読みながら、二人はそれぞれどんな気持ちでいたのでしょう。
ただ、その会いたいと思う一心が戦いの中での生きる希望になっていて、そこに二人の強さを感じます。

恋愛小説なわけじゃない。
武士の生き様を見るだけの時代小説というわけでもない。
いろんな人のいろんな思いが混沌と渦を巻いていた時代の、うねりの中で人としての当たり前の幸せを叶えようとした人の物語といえばいいのか。
日本のためにどうすればいいのか、そういう大きな視点で物を考えることも必要なのかもしれない。
そのために命を懸けて戦った人たちはきっと立派なんだと思う。
だけど、それとはあまり関わろうとせず、自分の身近にいる人を守ろうとしたその姿の方がかっこよく思えてしまいます。

戊辰繚乱

戊辰繚乱

  • 天野 純希

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く