日本起源のマンガこそ、日本人論にふさわしい。

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街場のマンガ論

『エースをねらえ!』から“男はいかに生きるべきか”を学び、『バガボンド』で教育の本質を知る。手塚治虫の圧倒的な倫理的指南力に影響を受けた幼少時代、今なお、読み続ける愛すべき少女マンガ…戦後マンガからボーイズラブまで、雑食系マンガ・リーダーの著者が、世界に誇る日本カルチャーについて熱く語る。『日本辺境論』で語りつくせなかった「日本人論」。

日本起源のマンガこそ、日本人論にふさわしい。

日本は市場で成り立つこと

  • 「―自分達のアニメーションが成り立ったのは日本の人口が一億を超えたからなんです。つまり日本の国内でペイラインに達することができる可能性を持つようになったからですから、国際化というのはボーナスみたいなもので、私達にとっていつも考えなければいけないのは日本の社会であり、日本にいる子供達であり、目の前にいる子供達です。それをもっと徹底することによってある種の普遍性にたどり着けたらすばらしい。それは世界に通用することになるんだ、って。」
  • 専門的な技能や知識と「食う・食えない」分岐線の間には直接の関係はない。どれほど専門的に高い技能や深い知識があっても、それに対して対価を支払う市場がなければ、「どれでは食えない」。

少女マンガを読める男なのか?

  • 世の中には二種類の男がいる。「少女マンガを読める男」と「読めない男」である。「少女マンガを読める男」はマンガ・リーダーの中でも少数派に属する。少女マンガは少年マンガとは違う記号体系に属する作物であるので、これを解読するためには別のリテラシーが要求されるからである。

なぜ日本人は識字率が世界でもっとも高いのか

  • 養老孟司が言うには、日本人が文字を読むとき脳内の二か所を同時に使っているからである。漢字は表意文字であるので、図像として認識される。ひらがな・カタカナは表音文字であるので、音声として認識される。図像を認識する脳内部位と、音声を認識する脳内部位は「別の場所」である。文字を読むときに単一の部位を使うのと、二つの部位を使って並列処理するのでは、作業能率が違う。だから、日本でマンガが生まれた、というのが養老先生の仮説である。

日本の戦後マンガのヒーローものの説話的話型の意味

  • それは「生来ひよわな少年」がもののはずみで「恐るべき破壊力をもったモビルスーツ状のメカ」の「操縦」を委ねられ、「無垢な魂をもった少年」だけが操作できるこの破壊装置の「善用」によって、とりあえず極東の一部の地域限定的な平和をもたらしている、というものである。この恐るべき破壊力をもったモビルスーツ状のメカ」は日米安保条約によって駐留する在日米軍であり、それを文民統制している「無垢な少年」こそ平和国家日本のセルフイメージにほかならない。

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