アメリカと日本

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街場のアメリカ論    NTT出版ライブラリーレゾナント017

現代日本はどうして「こんな国」になったのか? ――という問いをたどると、一貫 して「対米関係」を基軸に推移してきたことに思い至る。そこで仏文学者である著者 は、アメリカ問題の専門外という立場をフルに生かして、専門家では絶対にわかなら ない日米関係の本質をつぎつぎに指摘していく。

アメリカと日本

アメリカの生い立ち

  • アメリカはだんだんアメリカになったのではなく、はなからずっとアメリカでした。アメリカにはだから「成熟」という概念がありません。あるかもしれないけれど、重要なものとはみなされていない。なぜなら、アメリカにおいてはすでに理想が実現してしまっているから。
  • 「アメリカが今よりよい国になる」ための制度を整備することより、「アメリカが今より悪い国にならない」ための制度を整備することに腐心したからです。だって、アメリカは理想の国家をすでに達成した状態からスタートしたんですから。

アメリカの骨太さ

  • 私は本書の中でアメリカの政治、アメリカの文化、アメリカの社会構造を辛辣に批判するけれども、それは「こんなことを言ってもアメリカ人は歯牙にもかけないだろう」という「弱者ゆえの気楽さ」がどこかにあることで成立する種類の辛辣さである(中国や韓国の政治や社会を論じる場合なら、私はもっと慎重になるはずである)。 その種の「気楽さ」は私だけでなく、日本人の語るアメリカ論のすべてに伏流している。

少数派の保証がない国

  • (トクヴィル)「アメリカにおいて私に最も厭わしいのは、そこに支配する極端な自由ではなく、圧政に対する保障が少ない点である。合衆国において個人や一党派が不正をこうむったら、誰に訴えよというのか。世論にか。世論は多数(派)の形成者である。」

アメリカにとっての日本

  • アメリカが日本に期待しているのは他の東アジアの国々と信頼関係が築けず、外交的・軍事的につねに不安を抱えているせいで、アメリカにすがりつくしかない国であり続けることである。(中略)日本は強くなってもならないし、弱くなってもならない。アメリカにしてみれば「すっきり」したこの外交的要求は、しかし日本人からは意味不明の呪いのように思えるのである。憲法九条と自衛隊のねじれはこの呪いの端的なかたちである。

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