昼夜交替勤務による寝不足を解消してくれる「マイクロスリープ」

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昼夜交替勤務の職場で寝不足で辛い

昼夜交替勤務で体調をくずしてしまう。こういう場合、理想は勤務体系の変更です。しかし、仕事である以上、なかなかそうもいきません。

交替勤務を続けると、睡眠のリズムがくずれ、慢性的な睡眠不足に陥り、一日中眠気が取れずに身体が重くなったりするということが起きてきます。

これを解消し、仕事のパフォーマンスを一定に保つためには、前の節でお話ししたように、まずは休日にたっぷりと「補充睡眠」をすることです。とはいえ、勤務時間が不規則なので、一定の睡眠のリズムは作れません。すると、どうしても仕事中に眠くなり、注意が散漫となり、ミスの原因になってしまいます。

マイクロスリープが昼夜交代勤務の寝不足を解消

これを解決してくれるのが、マイクロスリープです。

マイクロスリープとは、読んで字のごとく、ほんの短い睡眠、それこそ数秒から数十秒の睡眠のことです。このマイクロスリープを行うことで眠気を覚まし、頭をはっきりとさせ、仕事に集中できるようにします。マイクロスリープは、私たちの日常生活に無縁のものではありません。むしろ、寝不足が嵩じたときなどに、無意識のうちに私たちはこれを行っています。

たとえば、会議や自動車の運転中、どうしても眠くなります。そんなとき、がまんしているつもりでも、ほんの一瞬、がくっと意識が飛んでしまうことがあるでしょう。これがマイクロスリープです。野生の草食動物は短時間睡眠ですが、一日に数十分程度しか眠っていないと思われる動物でも、このマイクロスリープで頻繁に睡眠を補っていると考えられています。

つまり、マイクロスリープは、動物としての私たちに本来備わっている、睡眠を補充するためのありがたいツールと言えるのです。このマイクロスリープを、交替勤務など、慢性的な睡眠不足を避けられない職場において活用するようにします。

どのようにするか。無意識に起きてくるマイクロスリープはせいぜい数十秒ですが、これでは短すぎます。これを意識的に五分程度取るようにします。つまり、五分間だけ眠るのです。五分で目を覚ます自信のない人は、携帯電話のアラームなどを利用するとよいでしょう。具体的には、ゆったりと椅子にかけ、自律訓練法を行うときのように手をリラックスさせて腿に置き、目を閉じ、あごの力を抜きます。「頭の中での独り言」も止めるようにします。ちょうど、自律訓練法の姿勢で睡眠術を行うイメージです。

睡眠術では、たとえ眠れていなくても、あごの脱力と「頭の中での独り言」の停止がなされていれば、すでに「半分睡眠」が達成されているとお話ししました。マイクロスリープにおいても、意識がなくならなくても、目を閉じて何も考えない状況があるだけで、睡眠としての効果が十分にあると言われています。

十一日間眠らなかったアメリカの高校生も、ショートスリーパーの代表であるナポレオンも、覚醒状態の中で、このマイクロスリープを取っていたと考えられています。 「たった五分間の睡眠で?」と不思議に思われるかもしれません。しかし、頭をすっきりさせるということでは、五分間で十分なのです。

断眠状態があれば、たった二十分の睡眠で深い眠りに入っていけます。昼夜交替勤務の不眠もこれに近く、同じ理屈が当てはまります。ここではさらに、マイクロスリープという現象を利用して、五分で睡眠を取ってしまいます。

マイクロスリープにおいても、入眠後、非常に深い睡眠に速やかに入っていけます。脳波を取ってみると、普段の睡眠時間が十分に取れている場合は、マイクロスリープを行っても、ノンレム睡眠の第から第段階までしか深度が進みません。しかし、断眠状態、つまり、交替勤務などで慢性的に睡眠が不足している状態では、第から第段階の深い眠りにすぐに入っていけます。つまり、たった五分で熟睡しているのです。

もちろん、二十分間の昼寝ができる人はそうしてください。それに加えて、仕事中のちょっと空いた時間やトイレ休憩を利用してマイクロスリープを行えば、交替勤務による寝不足や体調不良を改善することができます。

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