数々の困難を乗り越えた女性たちの軌跡をつづったノンフィクション

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フライングガールズ 高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦

来年2月のソチオリンピックでスキー・ジャンプの女子が採用されることと、
日本勢で最も金メダルに近い高梨沙羅という選手が話題になっていることもあり、
どんな選手か知りたくて読みました。
読んでみると、高梨選手というよりも、今まで知られることのなかった
苦難の歴史を乗り越えてきた選手たちの物語でした。

目次
第一章 高梨沙羅、天才少女の誕生
第二章 女子ジャンプ ゼロからの出発/山田いずみ、葛西賀子
第三章 世界への挑戦/渡瀬あゆみ、伊藤有希
第四章 ソチオリンピックへ/高梨沙羅、伊藤有希、山田優梨菜

第1章では、高校2年生で金メダル最有力と言われる天才ジャンパー、
高梨選手の生い立ちと現在までが書かれています。
技術面はもちろん、彼女が年若くして世界一になった秘密として、
驚異的な集中力といったメンタル面などを数々のエピソードとともに
紹介しています。

しかし、この本の中心となっているのは、実は第2章以降です。
高梨選手は、「先輩たちのおかげで自分はある」と常々言うそうです。
ではなぜそこまで先輩に感謝を捧げるのか。
その謎をひもとくのが第2章と第3章です。
最初に語られるのは、20年ほど前まで女子選手は一人もいなかったこと。
その理由は「女子にジャンプは無理」「ジャンプなんてやったら出産できなくなる」
といった今ではありえない偏見が根強かったためです。
そのとき偏見を打ち破ろうと一人の女の子が登場します。
その子はパイオニア的存在となり、その後に続くように選手たちが現れます。
やがて選手の数は10人を超え、さらに広がりを見せていきますが、
いくつもいくつも立ちはだかる障害を、彼女たちが結束して乗り越えて
現在に至った歴史が今日まで描かれます。
捨て身で彼女たちを守ろうとした指導者もいたことなど、エピソード一つ一つが
興味深いです。

そして第4章では、そんな歴史を歩み、ソチオリンピックへ向かう彼女たちの
喜びや決意が紹介されています。

感想

読み終えて、高梨選手がなぜ低迷する日本ジャンプの中で突出した存在になったか、
「先輩たちのおかげ」と感謝する理由も分かりました。
そして、高梨選手が感謝する先輩たちの苦闘から、あきらめないこと、
仲間がいることの大切さ、周囲で支える人々の存在、それらを実感しました。
収められている選手たちの集合写真や練習風景などたくさんのカラー写真も、
彼女たちのジャンプへの思い、エネルギーを感じさせてくれます。
スポーツという枠にとらわれずにいろいろなことを学べる、
感動するノンフィクションであり、特に2章と3章の展開は、
ドラマのような物語だと思います。

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gungalgungal
高梨沙羅って珍獣ハンターイモトに顔がそっくりですね

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