世界の十数カ国の王室の歴史から戴冠式の一部始終までを、冷静な筆致で描き出す

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国王誕生―世界各国にみる王位継承のドラマ

この本が書かれた時期

 平成2年11月12日、皇居において、天皇陛下がご即位を公に宣明されるとともに,そのご即位を内外の代表がことほぐ即位礼正殿の儀が、国事行為たる儀式として行われました。いわゆる即位の礼です。
 その直前、平成2年10月1日に刊行されたのが本書です。

この本の狙い

 神社界唯一の新聞社である神社新報社が「世界に現存する二十数カ国の君主制国家のなかから特に十数カ国を選び、更に参考までに廃絶王朝をも含めて、各々の王室で実際に王位の継承がどのやうに行はれ、どのやうな内容の即位式が行はれてきたのか、そしてその即位儀礼にはどのやうな歴史的、文化的背景があるのかを事実に即して客観的にレポート」(「まへがき」より)したもの。
 その狙いは、大喪の礼や即位の礼のありかたをめぐって沸き起こった、皇室のありかたや政教分離制度についての議論に一石を投じることだったと思われます。

私が勧める理由

 ここまでの説明を読んで、「きな臭い本だ」と思った方が、ひょっとしたらいるかもしれませんが、とんでもない!
 王室の歴史から即位式の具体的な様子まで、意外なほど(失礼!)冷静な筆致で描かれています。
 だからでしょうか、初めて知る事実、てんこ盛り。ものすごく面白いです。

取り上げられている国(王朝)

 取り上げられている国は、イギリス、オランダ、スカンジナビア三国、ヴァチカン、モロッコ、サウジアラビア、ヨルダン、タイ、ネパール、ブルネイ、トンガ、そして、廃絶王朝である中国・清王朝と朝鮮王朝です。
 どうですか? 読んでみたくなりませんか?

私が特に「へえ~」と思った個所

  • 聖油を塗る聖別儀礼をともなう戴冠式が残されているのは、イギリスだけ。
  • オランダ国王の就任式は正式には「上下両院合同総会」と呼ばれる。
  • サウジアラビアの前国王の葬儀は、崩御の当日に、モスクできわめて簡素に行われた。遺体は、市郊外の共同墓地に埋葬され、国王の碑銘も作られなかった(人間が死ぬとその肉体は土に返ると、文字どおり厳格に考えられている、ということのようです)。
  • タイは一般に仏教の国と考えられているが、タイ国王の即位儀礼を司っているのは、バラモン教の僧侶たち。
  • ネパールのビレンドラ国王の戴冠式(1975年2月24日)で使用された王冠は時価2000万ルピア(200万ドル=約6億円)と伝えられた(2013年現在のレートでは2億円弱か)。
  • トンガは、1834年に国王がキリスト教に改宗されるなど、キリスト教伝道が世界でもっとも成功した国といわれており、ツポウ4世の戴冠式は、1967年7月4日に王宮に隣接した王立礼拝堂において行われたが、戴冠式の翌々日には伝統儀礼に基づく即位式も行われた。

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