東京電力の失敗を整理して、今後の電力改革も問題点を考える!!

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東京電力 失敗の本質―「解体と再生」のシナリオ

原発で何らかの事故があった際には、安全のために「止める」「冷やす」「閉じ込める」という3つの作業が必要である。東日本大震災では「止める」ことは成功したが「冷やす」ことに失敗し、「閉じ込める」こともほとんどできなかった。

国際的にはレベル4の事故なら原子力発電の拡大継続。レベル5(米スリーマイル島事故)であれば新設はなくなるが、既存の原発は継続運転、レベル7(福島原発事故、旧ソチェルノブイリ事故)新設停止はもちろん、既存施設も厳しい対応を迫られる。

計画停電から見る日本電力の弱点

①電力会社間の電力融通に限りがあること。東日本と西日本では周波数の違いがあるし、周波数変換装置の容量、北海道・本州間の連携線の容量も限られているため、余剰電力があっても送電できない。

②停電操作の際にきめ細やかさを欠く。日本で変電所単位で送電を止めたり続けたりするしか方法がない。

周波数変換装置を拡充してこなかった理由は、コストが挙げられる。周波数変換装置を拡充するより、コストが半分ですむ火力発電所を建設した方がよいと考えられれていたが、実際には緊急事態に備えるのに十分な規模の火力発電所は建設されていなかった。

また、コスト以外にも、電力会社間で融通し合える送電容量が増えると、電力会社間での競争が激しくなってしまうため、あえて融通容量を少なくしていた。

再生可能エネルギーの実情

太陽光発電や風力発電のコストは下がりつつあるが、稼働率が低くて出力が安定しないこと、単位面積あたりの発電量が小さいので供給容量を大きくするためには膨大な敷地面積が必要になることが問題点として解決されていない。

地熱や小水力、バイオマス発電は稼働率の低さや出力の不安定さは問題ない。ただし、地熱には国立公園問題や温泉業者との利害対立、小水力は水道水や農業用水の発電利用に関する規制、バイオマスは物流コストなどそれぞれ課題が存在している。

電力事業の3つの特徴

①蓄えができない=在庫としてストックできない。
蓄電池が蓄えられる量は非常に限られていて、実用化にはまだまだ課題がある。
揚水発電であれば電力を位置エネルギーに変換して蓄えておくことができるが、やはりコストがかかる。
②設備形成に時間がかかる=長期を見据えた設備投資が必要
③国策民営の原子力

電力自由化のシナリオ

地域分割を廃止すれば、電力会社間での競争が激化することとなり、ガス会社や商社と合併する会社が出てきたりするなど、大小様々な電力会社が併存することとなる。

発送配電分離(アンバンドリング)は、系統運用能力を傷つけかねないという問題のほかに、利益をあげやすい発電の投資は進んでも、利益を出しにくい送電については投資が進まないという問題も考えておかないといけない。発送配電一貫には一定の経済的メリットもあることを忘れてはいけない。

電源開発促進税の地方移管

原発立地の自治体が原子力発電事業にきちんとした形で関与できるようにするため、住民の安全に直接的な責任を持つ原発立地自治体が電源開発促進税を主管し、原子力安全行政に参画すべき。

国営化のメリット

責任の所在が明確になる。国は電力会社の責任として、電力会社は国の作った基準は満たしているといった責任の擦り付け合いに終止符を打つ。また、外資系企業からの買収に歯止めをかける必要もある。

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