「ほしい未来」は自分の手でつくる(鈴木菜央)の書評・感想

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「ほしい未来」は自分の手でつくる (星海社新書)

内容に入ろうと思います。
本書は、「ほしい未来は、つくろう」というコンセプトのウェブマガジンである「グリーンズ」の創設者の一人である著者が、人生で出会った様々な点(dot)を繋ぎあわせて、現在に至る生き方に辿り着いた、その軌跡を追う作品です。

『誰かが「幸せな生き方」を決めてくれる時代は終わりました。
「所得倍増計画」や「高度経済成長」のように、誰かが決めた「幸せそうな未来」を、みんなで一緒になって追いかける必要はもうなのです。
それどころか、そんなことはもう誰かい期待したってできっこないのです。

「ハッピーな人生」「ほしい人生」を追求し、自分が輝くことで、「ほしい社会」や「ほしい未来」をつくっていける時代なのです』

『もう、国や企業が、「私たちが幸せになれるストーリー」をつくってくれる時代ではありません。自分の人生のストーリーは、自分で考え、自分の足で歩んでいくしかない。
ソーシャルデザインとは、自分の「人生のデザイン」と完全に同じ意味で、「ほしい未来」は、自分の人生を精いっぱい生きた先に、はじめて開けてくるものなのです』

本書のタイトルである「「ほしい未来」は自分の手でつくる」をもう少し長く説明した文章が、今引用した二つの文章になるでしょうか。
「グリーンズ」というサイトは、いわゆる「ソーシャルデザイン」の実例を様々取り上げ、それを見た人に行動を起こさせて「参加者」にしてしまう、そんなウェブマガジンです。ソーシャルデザインというとなかなか難しそうですけど、「自分の身の回りにある、自分が関心を持つことができる問題に、小さな一歩から解決に向けて動くことで、いずれ社会が変わっていく」というような考え方を著者は推奨し、ソーシャルデザインを生み出す行動を取れる人を促し続けていきます。
「ソーシャルデザイン」という考え方には前からちょっと興味があって、いくつか本を読んできたりもしました。グリーンズが編集した「ソーシャルデザイン 社会をつくるグッドアイデア集」や「ソーシャルデザイン50の方法 あなたが世界を変えるとき(今一生)」というような、ソーシャルデザインの実例が様々に紹介された本を読んできたりもしました。なかなか大きな規模の話もありますが、規模の小さな、踏み出す勇気さえあれば誰でも出来そうな実例も載っていて、「グリーンズ」というサイトにはそういう情報が山ほど紹介されているのだろうと思います(見よう見ようと思いつつ、まだちゃんと「グリーンズ」のサイトは見れていない)。
本書はそういう、実例を紹介した本ではありません。
本書の内容を大きく分けると、三つに分けられるかもしれません。

① 「グリーンズ」の誕生から現在に至るまでの「グリーンズ史」
② 著者の生い立ちから現在に至るまでの「自分史」
③ ソーシャルデザインをやってみたいという人に向けた「基本のキ」

正直、僕が漠然と想像していた本とは、ちょっと違った内容ではありました。どんな内容を想像していたのかと言われると、具体的なイメージはないのですけど、著者自身の話がここまで多く描かれるとは思っていませんでした。それはそれで、決して悪いわけではないのだけど、もうちょっと違うことを知りたかったような気もしました(とはいえ、具体的に何を知りたかったのかというイメージはないのだけど)。でも、本書を読んでいると、本書のコンセプトとして、「実例ばっかを紹介する本にするのはやめよう」という雰囲気を感じるので、それでこういう内容になったんだろうなぁ、とは思うのですけど。

感想

本書は、「何をするか?」という問いを突きつける作品ではありません。それよりもっと以前にある、「どう生きるか?」という問いを突きつけてきます。あなたはどう生きたいのか、そのために何をすればいいのか?まず自分の内側で、その問いについて考え、答えを熟成させましょう。そうすれば、自ずと自分がやるべきことが見えてくると著者は言います。自分の歩む道の先に『何か』が見えている人も、そうでない人も、背中を押される本ではないかと思います。是非読んでみてください。

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