次世代都市への探求 ー豊富な欧州の事例よりー

2259viewsstarginestargine

このエントリーをはてなブックマークに追加
都市 この小さな国の

【各章】
1 イントロダクションー都市の未来をどうするのか?
2 社会の変化と断片化
3 郊外への脱出とコンパクトシティの衰退
4 都市と交通
5 都市と環境ーなぜ変化が必要なのか
6 中心市街の再生ーきめ細やかな都市
7 都市を機能させるために
8 都市と住民
※この著は主に、欧州、特にイギリスを意識して、データや文章などが、書かれていることに注意。

==
全体的にというよりは、私の関心である、特に交通に関して、まとめました。
==

4章:【都市と交通】p.89-126
 

[コペンハーゲン]20年にわたった交通抑制により人で賑わった成功都市例

市外中心→歩道専用ゾーン決定 

[都心の交通渋滞]

低密度な都市は人の移動が特に長くなる。例:アメリカ

[車の危険性]

・時速40マイルで自転車と衝突した場合、85%は死ぬ。20マイルだと5%まで落ちる。だが30マイル制限はほとんど違反されている。
・アメリカでは、移動の93%が玄関から乗る車によって占められている。
・世界における自動車台数 1996年7億台→世界の10%前後

[交通とネイバーフッド]

★ドナルドアップルヤードが1976年に行ったサンフランシスコ街路の研究結果
親密さ・近隣への意識は交通量の増大に伴い減少する。

[渋滞のコストと、雇用への影響]

★いったん車を購入してしまえば、複数で移動する時などは、他の手段を利用するより安く済む。収入に対する車のコストは10年前よりも安くなり、それを狙うように、政府は毎年ガソリンへの課税を増やしてきた。公共交通と比べても車のコストは低下していてそれがバス利用の急激な低下を招いている。一方で公共交通のコストは平均収入の増加とともに一貫して上昇していて、それが貧困層を相対的に窮地に追いやっている。

[LRTとトラム]

都市が衰退しているのだとしたら、郊外との交通の改善は、逆に都心の人々を郊外や近隣都市へと脱出させてしまう。新たな都市交通は雇用・物理的/社会的再生との関連のなかで発想されなければならない。

[徒歩と自転車]

車を持たない人は、車を持つ人の1.6倍は多く歩いている。
人は、15分以上1.2kmかけて、出かけようとはしない。
だが、1.6km以内の移動が、人間の移動の1/4を占めている。
裕福な人々が移動に車を利用することで、低所得者の自転車利用が阻害されている。
車を持たない人の自転車利用は、車を持つ人より、1.7倍多い。
人々は自転車を好み、それを利用したいと思っている。(≒購入が増えている。

10年で利用が倍増した街:アムス、フライブルク、コペン、グーテン、ストラスブール、ドイツ
>>自転車はすみやかに広範囲に普及できる。

[世界の成長の限界]

交通は21世紀を左右する大きな課題である。
==
以下、別章より抜粋。

機能しないルール
・質を担保するための低密度
・用途混合の制限
・用途変更の制限
・ゾーニングによる分割
・気前のいい道路供給
・課題な駐車場の供給
・広い道路結節点
・密度・高さ・空間・用途転用に対する数値基準の厳格な運用
・新しい世帯のかたちに対する対応の失敗
・陳腐化した開発計画 

アーバンタスクフォースが掲げる問題5テーマの内の1つ
交通
・車の過剰利用と渋滞
・交通事故/大気汚染
・徒歩や自転車利用の減少と危険度
・鉄道の余剰と投資の減衰
・自動車によるバスの遅延

交通を都市に張り巡らす上で大事なこと
・交通の組織化、構造化
・街路の解放
・速度の制御

感想

字数制限により本文内に書けなかったが、交通問題を考える上で最も本質をついた指摘は、著内の[パディントンの列車事故]項にあった以下の記述であるように感じた。
=
"この100年、原理的には、交通手段は変わっていない。"
"交通のコストをどのように分かち合うかについては、ほとんど了解が得られていない。"
"人々は交通問題を低減させたいと考えている。一方で、個人の自由を制限されることには抵抗がある。"
=
この"動物としての欲と人間としての精神性としての対立のようなものが生む自己矛盾をどう克服するか"が本当に難しいながらも考えなければいけない点、方向であると気付かされた。

都市 この小さな国の

都市 この小さな国の

  • リチャード ロジャース,アン パワー

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く