「勝つための論文の書き方」から問題の立て方を紹介!

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勝つための論文の書き方 (文春新書)

はじめに

論文の書き方指導の本だが、「論文指導とは問題の立て方を教えること」と、筆者は述べており、問題設定の方法を学んでいる社会人の参考にもなる。
この本は、「日常生活と論文」「問題の立て方」「資料の集め方」「論部の組み立て方」の四部からなるが、「問題の立て方」をポイントとしてまとめてみた。

問題の立て方のポイント

・良い問いというのは二種類のみ
一つは、いままで多くの人が取り組みながら未解決という問い。
もう一つは、いまだかつて誰も取り組んだことのない問い。

・問いは、比較からしか生まれない
問いは、比較の対象があって初めて生まれてくる。一つしかないと、比較がないため、差異の意識も生まれず、問いも生まれない。
たとえば、ある分野のベテランは、一つ見ただけで、その独自性、あるいは陳腐さがわかる。すでに頭の中に比較すべき大量のレファレンスがあるため。
比較により、類似性と差異性を見つけることから、問いが生まれる。

・問題を立てるために、比較のフィールドを広げる
問いを立てるためには、比較のフィールドを広げる必要がある。その方法として、
① 縦軸に移動する
ものには必ず歴史があり、過去の事象の積み重ねの上に生まれてくる。
過去にさかのぼって比較をすれば、現在、新しく思われている事象も、類似性と差異性の網目の中にすくい取ることができる。
② 横軸に移動する
横軸の移動から問題を立てることもできる。
たとえば、人間の体は、歴史をさかのぼっても、基本的な部分ではそれほど変化はない。このとき、横軸に注目し、人類を他の哺乳類とて比べてみる。
縦軸の移動と横軸の移動は、組み合わせることもできる。

・本質的・構造的な類似・差異であるか?
簡単な観察で見つけた類似・差異は、表面的な類似・差異であることが多い。
ここに問いを立てると、浅い問いになってしまう。
類似・差異が、表面的なものか構造的なものか以下の方法で見抜く。
① 顕微鏡的分析
比較する両方の項目を細かく分割・解剖していくことで、その組成原子の異同を突き止める方法。
② 望遠鏡的俯瞰
視点を未来にとって、そこから両方を俯瞰する方法。こうすると、対照的であるかに思えた特徴が相互補完的にすぎず、両者とも大きな枠組みの中に収まり、その時代に共通する特徴を示していることがよくある。

・本質的な問いであるか?
いままで誰も立てたことのない問いの場合、ほとんど無意味な問いを立てている可能性がある。そのため問いを思いついたら、まずサンプル抽出での検討を行い、問いが本当に本質に届くものであるかどうかを検証する。

・複数の専門分野を持つ
 どんなにユニークな発想をする人であろうと、必ずアイデア借用というのをしている。
同じジャンルでしたのでは、単なる物まねになってしまうが、分野を変えてやると立派な成果を生み出すことがある。
誰も立てたことのない問いを立てるには、論文を書こうとしている専門分野の中に、他がの分野と共通するある種の型や構造を見抜く力、見立て力がなくてはならない。見立て力を磨くには、複数の専門分野で方法論を学んだ方が望ましいから、他の専門分野の勉強もする必要がある。

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