ハイクオリティな論文作成の指南書 政策リサーチ入門

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政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法

【概要】

政策リサーチとは…政策案を策定するための基礎となる知識を生み出す営み

本書で学べること:「因果関係を探求する仮説検証型の方法論」 現場や違う分野でも応用が効きやすい。
リサーチの3類型
①現状確認型リサーチ(事柄の記述・分類)
②原因探究型リサーチ(データや観察による仮説検証)★
③政策提言型リサーチ(政策の効果を予測・評価)

政策を立案するために抑えるべきこと:
政策の中身[in]:社会工学、法律、経済、個別対象になりうるもの政策の実行[out]:政治、行政(過程)

【各章・各節のポイント】

①:リサーチ・クエスチョンをたてる(テーマ選定・研究計画策定)

2.
★なぜかを問うことから、どうすればよいかは見えてくる。
7.
★リサーチクエスチョンを明確にする理由
1)研究の目的地の明示をしてくれるため。
2)他者に研究の目的を伝えられるため。

②:仮説をたてる(因果関係の想定・概念の明確化)

1.
仮説とは、検証可能な暫定的回答
7.
注意点
1)検証可能であるか
2)観察や調査は可能であるか

③:資料・データの収集

1.
(文献)レビュー論文だけでも、価値あり。
2.
学部生は、学んだことをたくさん書いてもよい。(院生は否)
3.
図書の検索手段は、OPAC,Webcatなどがある。
4.
入手先抜粋→議会会議録、公文書館の過去文献、国立国会図書館
6.
研究者の専門を検索するのに便利なのは、Readというデータベース。
[ヒアリングの際にすべきこと]
◯事前準備が肝!
・そこで得た情報の公開範囲の確認。学内のみか、雑誌寄稿か、ネット公開なのかなど。

7.
[データ収集]
・アンケート調査では、仮説以上の発見をすることが難しい。また、事後分析も時間がかかる。それらに注意。

④:仮説を検証する(分析・推論)

2.
◯比較(少数の事例を比べる)
・通時的比較と共時的比較
・差異法(良い例と悪い例を)
・一致法(良い例のみの比較)
3.
◯統計的な検証(多数の事例を対象)
★重回帰分析(標準化係数、決定係数、有意確率、帰無仮説)
4.
◯ひとつの事例の詳細な追跡
[9つの使い道]
★仮説をたてたいとき
★状況証拠を積み重ねたいとき
5.
◯仮説検証においての注意点
・差異法→検討しなかった未知の要因がありうる
・統計→操作化による変数以外にも、関係する変数はありうる
6.
◯検証結果をどう扱うか
・比較による検証においては、得られた結果の適用範囲に注意。(ex.大小、多少など)

7.
◯どの方法を選ぶか
・論理性を身につけたい場合、少数事例の比較法は効果的。

⑥:リサーチ結果をまとめ、伝える プレゼン・論文執筆 

⑤:リサーチ結果を政策化する

1.
・政策分析
おおまかな手順は以下。
1)政策課題のモデル化
2)将来予測
3)★政策課題を制御する政策案のデザイン
4)政策効果の評価と選択
5)結果を評価し改善へ。

★2.
政策手段には、大きく①強制②誘引③情報④直接供給の4つがある。
(それぞれの詳細な因果関係の説明等は未読。)

4.政策評価
・政策評価(準実験、ロジックモデル)
・業績評価(対象はアウトカムが理想だが、難しいからアウトプットもあり。)
・B/C分析(どうお金に換算するか。)

5.

「この本で教えられる範囲では、比較法が、それなりの説得力をもった提言をするための方法として、よいはずです。」

感想

副題がこの本の本質を上手く捉えていると思います。というのも、話を具体的にするために、この書では主に「政策」を対象として論が展開されていますが、そのリサーチをする上でのポイントや流れは、一般的な研究(分析)法と根本的な核は同じです。よって、政策だけにとどまらず他分野にも適用可能な拡張性の高い著となっています。
現在、政策とは何ら関係のない学部生として研究を進めている私ですが、この書の考え方というのは大変参考になっています。ゼミの先生からのおすすめで読んだ次第です。
何らかの形で研究や分析に関わる方は一読して損はないでしょう。

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