自分の意識とは何か?

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屍者の帝国

自分の意識とは何か?

伊藤計劃さんが書いたプロローグを受け継ぎ、
円城塔さんが完成させた作品です。

舞台は19世紀末、主人公はのちにホームズ探偵の助手になるワトソン医師。
フランケンシュタインの研究成果により、死者を復活させる技術が開発され、
死者たちは屍者として軍事、
危険労働などの労働力として自由経済を担っている時代。
イギリスとロシアが世界各地で戦争を引き起こしているグレート・ゲーム。
その駒の一つとしてワトソンは軍医として屍者のメンテナンスの技術も身につけ、
戦場へ、そして疑惑を追ってさらに世界を旅していく。

話が展開していくうちに、死者と生者を分けているのはなにか、
というテーマが提示され、死ぬとはどういうことか、
さらには自分の意識とは何かということを考えさせられます。
それはそのまま今の医療の問題とつながっているような気がします。
科学は常に新しい技術を生み出し、そしてそれは世界へと広がっていきます。
その技術の使用には、倫理的な問題をはらんでいる場合があります。
この話の中で常に生み出されている屍者を生産する技術もそうです。
そういう視点は円城さんが科学者だからこそ、伝えたいのかなと思ったりもしました。

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