体験から読み取る、統合失調症患者の家族が背負う問題

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統合失調症 愛と憎しみの向こう側

統合失調症により医療保護入院となった妻とその夫。作者(夫)の感情体験がストレートに書かれたkindleブック。

統合失調症患者への接し方が書かれたハウツー本ではありませんが、朴訥としたタッチで作者の胸中が書き進められていて、体験に映し出された作者の感情の変化は生々しい。

この本の特徴

  • 精神医療の現実と一般的な患者の家族感情とのギャップが作者の感情体験により切実に描かれています。

  • 統合失調症による家族側の諸問題が取り上げられていますが、このことは他の障害や他疾患だけでも似たような問題は考えられます。もし、自分が当事者ならどうするか?、本の主テーマの裏側には夫婦関係、家族関係における愛情について考えさせられる内容も併せ持っています。

  • 医療保護入院という、本人の意思とは関係なく家族が入院させる制度の必要性と、それによって起こる家族と患者の感情的な摩擦についても考えさせられます。

作者が背負った問題点

  • 医療保護入院による患者(妻)との関係悪化

  • 妻の治療方針をめぐる身内間の確執

  • 作者(夫)と精神病院、精神科医との信頼関係の崩壊

  • 治療環境(転院)を変えることへのリスクとの葛藤

  • 母親の病気を子供達にどう理解させるのか

まとめ

配偶者の統合失調症発症について、夫の立場で書かれたこの作品は社会的に浮上しにくい奥深い問題をはらんでいます。社会的認識と偏見により、表には出にくい問題によって孤立を深める様は、医療機関や地域社会によるサポートの必要性と重要性をも感じさせられます。

統合失調症の発症率から考えると、実は自分の周りにいるかもしれない当事者の存在に気付かないだけかもしれません。
意外と身近なところで、病気による問題を孤独に背負い込んでいる人や御家族がいるのかも?

自分だったらどうしただろう?
そのことについて、深く考えさせられる一冊です。

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