完全黙秘の少年の心を動かす心理交渉術

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プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

完全黙秘の少年にも好かれる1冊

私の弁護活動の中で、コミュニケーションをもっとも取りにくかったのが、少年A君の事件です。

未成年だった彼は事件を起こして警察に逮捕され、私が弁護することになりました。さっそく警察署に面会に行ったのですが、質問をしても無言。なにも話してくれません。

少年事件の弁護マニュアルでは、逮捕された少年は、成人とは異なり、状況を理解しにくいため、弁護人の立場が味方だとちゃんと説明すること、最初はコミュニケーションを優先することが大事、などと書かれています。

「A君、私は君の弁護をしに来た味方だ。安心してほしい」

とニッコリ言っても、こちらをチラッと見て無言です。まさか、弁護人相手に黙秘権を使っているのか、それとも喋れないのか、と心配になり、警察に確認したところ、時間はかかるけど会話は可能という回答でした。

これは、「連合(好きなものと結びつける)の法則」を使うしかないと思い、A君の好きなこと、趣味などを聞き出します。

約四〇分の初回面接で得られた情報は、A君は『鋼の錬金術師』というマンガが好きであるということ、以上。こんなに密度が低い四〇分は初めてです。

誰もタダでは笑ってくれない

リベンジを図るべく、私は警察署の帰り道に、『鋼の錬金術師』を十五冊購入(当時の全巻)、電車の中でむさぼり読みました。

錬金術に失敗した兄弟が、失った身体を元に戻すために旅をする話ですが、その中で「等価交換」というキーワードが使われていました。なにかを得るためには同等の代価が必要という考えです。

次回の面接時に、この知識を使って話をしました。

「A君、『鋼の錬金術師』読んだよ。今回の事件も等価交換で考えてみよう」

A君は、初めてニヤリと笑い、少しずつ話をしてくれるようになりました。事件の本質、彼の問題にたどり着くことができた結果、効果的な弁護活動ができました。

この件以降、私は、お客さんから勧められると、暴走トラック雑誌を買ったり、怪しいラーメンを食べに行ったりしています。連合の力をフル活用しています。

このような好意の法則を使うのは、煩わしい、プライドが許さないと感じるかもしれません。しかし、すべては心理戦で相手を安心させ結果を出すための投資です。等価交換と考えましょう。

心を動かしたポイント

好かれる方法は一通り試してみる

感想

完全黙秘の少年の心をつかむ方法を紹介しました。交渉の連続である弁護士が書いた心理交渉術の本です。カツアゲの値切り方まで買いてあります(笑)。でも、犯罪に対しても交渉ができることがわかります。本書は、交渉や心理戦が多い人におすすめの本です。

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