プロメテウスの罠の書評・感想

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プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実: 1 (プロメテウスの罠シリーズ)

本書は、朝日新聞紙上で2011年10月から連載がスタートし、現在も連載が続いている「プロメテウスの罠」をまとめ加筆修正し単行本にしたものです。
これは、国民全員が読むべき本ではないかと思った。
まず、僕が本書を読もうと思ったきっかけを書こうと思います。僕は、朝日新聞に限らず、まったく新聞を読んでいません。なので、このプロメテウスの罠という連載についてもまったく知りませんでした。少なくとも、僕が見聞きしている範囲では、その評判も聞いたことがありませんでした(これはたぶん、僕のアンテナの感度の悪さが原因でしょうけど)。
つい先日、石井光太が主催したノンフィクション講座というものに行って来ました。そこでパネラーの一人として登場したのが、元朝日新聞記者の松本仁一氏です。その講座の中で、このプロメテウスの罠の連載の話が出ました。
この連載では、後で詳しく書きますが、とにかく事実にこだわり、主観は省き、どんどんと奥深くまで斬り込んでいく、恐らく普通新聞には出来ないだろうと思われるような内容になっています。そのため、自分が弾除けとして呼ばれた、というような表現を松本氏はしていました。朝日新聞を退職した元記者を弾除けとして必要とするぐらい、かなり危険な連載だと言えます。
その講座では、書籍化の話は出なかったのですが、それからしばらくして新刊として入荷したのを見つけたのですぐ買いました。
巻末に、特別報道部長の依光氏が、連載開始にあたって決めたいくつかの試みが書かれている。全部で五つ。

①連載テレビ小説方式。毎日読んでもらえるように書き方を工夫した。
②事実にこだわる。徹底的に事実を書き、主観は省く。
③分かりやすく書く。凝った表現は要らない。
④目線を下に置く。為政者の視点ではなく、ふつうの国民の視点で書く。
⑤官の理屈に染まらない。「◯◯省が言った」という表現は止め、「◯◯省の◯◯が◯◯と言った」と表現する。

僕は新聞を読んでいない人間なので、正直なところこれがどれぐらい凄いのかよくわかりません。が、恐らく新聞記事としてはかなり異例なのではないかと思います。僕は、朝日新聞がどういう立ち位置の新聞で、どういう評価がなされているのか知りません。噂では、あまりいい評判を聞かない新聞だなという印象はあります。ただ、このプロメテウスの罠という連載が続けられている、というその一点のみで、朝日新聞という新聞を評価してもいいかもしれない。そんな風に思わされました。

本書を読んでいる間、僕はずっと悔しかった。
悔しい。悔しい。悔しい。悔しい。
悔しすぎる。
自分でも抑えきれないような、この衝動的な悔しさは、読み終わるまで、いや読み終わってからも、ずっと残り続けている。
悔しい。本当に悔しい。
何に悔しさを覚えているのか。それは、たぶん色んなものが絡まり合っていてもうよくわからなくなっている。
先に書いておく。
僕は、新聞もテレビもほとんどみない。震災直後はテレビに釘付けになったけど、しばらくしてまた見なくなった。ネットでニュースを拾い読みしはするけど、エンタメ系の話題や科学系の話題にどうも自分の興味が向いてしまうので、政治や経済などの難しめな記事は見出しが目に入るぐらい。普段から積極的に何かにアプローチをして、情報を集めたり集めた情報を元に考えたりするような人間ではない。
だから、これから僕が書くことに、的外れだったり単純に間違っていたりするようなことも書くかもしれない。それについていちいち断りを入れるのは面倒なので先に書いておく。

感想

でも、僕は決めた。今日から僕は、原発に反対します。

たぶん書こうと思えばいくらでも文章が書けると思う。僕が線を引いた文章すべてをここに引用したいくらいだし、それぞれの場面でどう感じたのかも、文章に残しておきたいような気がする。でも、たぶんきりがない。だから、これぐらいにしておこうと思う。
時間を忘れて読みふけった。こんなに前のめりになって本を読んだのは久しぶりかもしれない。怖かった。恥ずかしかった。感動した。でも一番はやっぱり、悔しかった。

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